日本の輸出1%押し下げも=米中摩擦激化を懸念-エコノミスト

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貿易をめぐる米国と中国の対立激化を受け、日本の景気への影響を懸念する声が強まっている。中国向けは日本の輸出全体の2割を占める。民間エコノミストの間では、米国による対中制裁関税強化で中国経済の回復が遠のけば、日本の輸出は年1%近く押し下げられるとの試算もある。

米政府は対中制裁第3弾として2000億ドル(約22兆円)の中国製品に課している関税を10日にも10%から25%に引き上げると表明。トランプ大統領は制裁対象になっていない残る中国製品全てにも25%の関税を適用する用意があるとして、米中協議を前に中国側をけん制した。

大和総研の小林俊介エコノミストは、2000億ドル相当の中国製品に関税25%を課せば、今年後半から期待されていた中国の景気回復にブレーキがかかると予想。日本からの電子部品や生産用機械などの需要が弱まり、日本の輸出は年1%近く押し下げられると試算する。

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、米国が全中国製品に25%の関税を発動する事態を懸念する。中国の成長率は年6%を下回り、日本企業の輸出や生産、設備投資意欲が軒並み減退すると想定する。

経済協力開発機構(OECD)の試算によれば、米国が全中国製品に25%の関税を発動し、中国側も報復措置を取れば、2021年までに経済成長率は中国で1%、米国で0.8%、世界全体で0.5%それぞれ押し下げられるという。

内閣府が今月13日に発表する3月の景気動向指数(速報値)は、景気の現状を示す一致指数の基調判断が約6年ぶりに「悪化」に引き下げられる公算が大きい。20日公表の今年1~3月期の国内総生産(GDP)速報値も前期比で2四半期ぶりのマイナスになる可能性がある。小林真一郎氏は、中国が景気減速から回復しないまま、10月の消費税増税後に消費が落ち込めば、日本の景気後退入りは確実とみている。

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