「同性愛者、見えるように」=弁護士の男性カップル-HPで公表、2人で事務所

社会

同性愛者であることをホームページ(HP)で公表し、2人で弁護士事務所を開いている男性カップルが大阪市内にいる。HPには取り扱い業務として、離婚や相続などと並んで「ゲイ・同性愛・LGBT(性的少数者)の問題」も掲げる。弁護士の一人、南和行さん(42)は「今の日本では、まだ同性愛者の存在が見えていない。僕らが『ここにいる』と言うことで、フィクションや外国の出来事ではないと知ってほしい」と訴える。

南さんはパートナーの吉田昌史さん(41)と共に2013年、「なんもり法律事務所」(同市北区)を開業した。HPには「吉田と南は同性愛者であり同性カップルです」と明記している。

2人は京都大大学院時代にインターネット掲示板を通じて出会った。南さんはその後、メーカーに勤務したが、1年で退職した。「この先一緒に暮らし始めても、会社にいれば独身の男と偽り続けないといけない。何で二重生活を送らなあかんのやろと思った」と当時を振り返る。

亡くなった父が弁護士だったこともあり、「事務所を開き、私生活でも仕事でも一緒に過ごせるようになれたらいい」と考えた。二人三脚で弁護士を目指し、吉田さんに続き08年に司法試験に合格。11年には結婚式を挙げた。

同性愛者の男性が出会い系サイトで知り合った男に「ゲイだとばらす」と現金を脅し取られたケースなど、事務所にはLGBTに関連する多数の相談が寄せられる。同性愛者だと他人に話す抵抗感などから弁護士や警察に相談できず、泣き寝入りする人も少なくないという。

「もし男女の問題だったら、相談もしやすかったはず」と指摘する南さんは、「僕らがゲイの弁護士だと言うことで、この事務所なら男女と同性愛者の問題を区別しないと思ってもらえる」と話す。

南さんは著書の出版や、テレビ番組への出演にも積極的だ。自分の本や発言に意味があると世間が考えるのは、「見える」同性愛者の存在が珍しいからこそだと感じている。「男同士の弁護士カップルで、家族とも仲良くやっていると『見える』ことで、我慢を強いられてきた人が少しでも楽になれたら」と力を込めた。

取材に応じる南和行弁護士=4月19日、大阪市北区取材に応じる南和行弁護士=4月19日、大阪市北区

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