東京地裁、在外投票制限は「違憲」=最高裁裁判官の国民審査-国に賠償命じる

社会

衆院選と同時に行われる最高裁裁判官の国民審査について、在外邦人が投票できないのは憲法違反だとして、米国在住の映画監督想田和弘さん(48)ら5人が国に損害賠償などを求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。森英明裁判長は、2017年の前回審査で投票できなかったことは「審査権を認めた憲法に違反する」と判断。国に対し、原告1人当たり5000円を賠償するよう命じた。

森裁判長は国民審査制度について、「最高の司法機関である最高裁の裁判官の任命に民主的統制を及ぼそうとしたもの」とした上で、「審査権は憲法が定める国民固有の権利だ」と述べた。

国側は、審査対象の裁判官名を記載した用紙を投開票に間に合うよう在外公館に送付することは事実上不可能と主張したが、森裁判長は「他の方法もある。在外邦人の審査権を制限するやむを得ない理由があったとは到底言えない」と退けた。

判決はさらに、最高裁が05年に国政選挙での在外邦人の選挙権制限を違憲と判断した上、東京地裁が11年、国民審査の制限についても「憲法適合性に重大な疑義がある」と言及したと指摘。「11年の時点で違憲は明白となっていたにもかかわらず、国会は何の措置も取らなかった」と批判し、立法不作為に基づく国家賠償を認めた。

訴訟で国側は、国民審査権について、「議会制民主主義の根幹をなす選挙権とは憲法上位置付けが異なる」などと反論していた。

判決後、インターネットを通じて記者会見した想田さんは「喜ばしい。国は速やかに法改正し、主権者としての権利が侵害されている状態を正してほしい」と訴えた。

総務省選挙部管理課の話 内容を精査し、対応を検討する。

在外邦人に国民審査を認めないのは違憲と判断した東京地裁判決を受け、記者会見する弁護団。原告の想田和弘さんはインターネットを通じて質問に答えた=28日午後、東京・霞が関在外邦人に国民審査を認めないのは違憲と判断した東京地裁判決を受け、記者会見する弁護団。原告の想田和弘さんはインターネットを通じて質問に答えた=28日午後、東京・霞が関

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