耳の不自由な人に音楽を=つのだ☆ひろさん講座開設へ-新型の骨伝導装置活用

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音のない世界で生きてきた人に本物の音楽を-。「メリー・ジェーン」などのヒット曲で知られる音楽家つのだ☆ひろさん(69)が、音を聞くこと自体が困難な人や、耳が聞こえにくくなった高齢者に良質の音楽を聴いてもらうプロジェクトに取り組んでいる。最新式の骨伝導ヘッドホンが開発されたことで可能になった。自身が経営する音楽塾で講座を開設。音楽を聴いて楽器の演奏を習い、コンサートやレコーディングにも参加してもらいたい考えだ。

1960年代から音楽活動を始めたつのださんは傍らで、2005年から東京都文京区で音楽塾を経営。これまでに子どもからシニア世代まで約500人を教えてきた。健常者だけでなく、障害を持つ子どもたちも受け入れ、それぞれの個性に合った指導を行い、登校拒否から立ち直る生徒や、発達障害を持ちながら音楽大学に進学した子どももいる。

10年ほど前から、耳の不自由な人にも音楽を楽しんでもらいたいと考え、骨伝導に着目。しかし、従来型の骨伝導補聴器などでは、高度難聴や、内耳などに問題がある「感音性難聴」の人には狙い通りに音が届かなかった。

半ば諦めていたところ、知人の紹介で知り合った同区の医療機器製造会社社長国司哲次さんが新型骨伝導ヘッドホン「プレスティン」を開発。16年から医療現場で使用され、高度難聴の人や老人性難聴を含む感音性難聴の人にも一定の効果を発揮しており、こうした人たちに音楽を聴いてもらう道が開かれた。

まずは近隣の聴覚障害特別支援学校や高齢者福祉施設に声を掛け、実際に音を聞いてもらう試験的な取り組みを開始。早ければ秋ごろから、本格的に聴覚障害を持つ生徒の募集を始める。

つのださんは「今は音楽が駄目になっている。健常者はその音楽に慣らされてしまっているが、音の聞こえなかった人には、最初に『本物の音楽』を聴いてもらいたい」と話し、今後の音楽づくりに耳の不自由な人たちが参画していくことを期待している。

高度難聴の人や老人性難聴を含む「感音性難聴」の人にも音楽を楽しむ道を開いた最新式の骨伝導ヘッドホン「プレスティン」を手にするつのだ☆ひろさん(左)。右は開発者の国司哲次さん=10日、東京都文京区高度難聴の人や老人性難聴を含む「感音性難聴」の人にも音楽を楽しむ道を開いた最新式の骨伝導ヘッドホン「プレスティン」を手にするつのだ☆ひろさん(左)。右は開発者の国司哲次さん=10日、東京都文京区

自ら経営する音楽塾のスタジオでドラムを演奏するつのだ☆ひろさん=17日、東京都文京区自ら経営する音楽塾のスタジオでドラムを演奏するつのだ☆ひろさん=17日、東京都文京区

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