多国間で不均衡是正へ=議長国日本、問われる手腕-G20財務相会議

経済・ビジネス

日本が初めて議長国を務める20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が6月8、9日、福岡市で開かれる。日本は米中貿易摩擦の背後にある「経常収支の不均衡」是正や、途上国向けのインフラ投資原則などに関する議論を主導したい考え。トランプ米政権が保護主義的な動きを強める中、多国間による国際協調の枠組みを再構築できるのか、日本の手腕が問われる。

トランプ米大統領は5月下旬の来日時に、「日米の貿易不均衡を是正したい」と強調した。巨額の対米貿易黒字を抱える中国に制裁関税を課す中、日本に対しては、米国に輸出する自動車の台数制限を検討しているほか、農産物市場のさらなる開放を求めている。

こうした中、日本はG20福岡会議で、モノの輸出入を示す「貿易収支」に、サービスや投資収益のやりとりなども加えた「経常収支」で不均衡を是正したい考え。ある国に高関税をかけて貿易収支を改善させたとしても、他の国から輸入品が増えるだけで「根本的な解決にはならない」(財務省幹部)ためだ。米が好む2国間交渉ではなく、多国間の枠組みで解決策を模索したい構え。

途上国向けのインフラ投資では、中国が途上国に返済しきれない額の債務を負わせていることが問題となっている。返済可能な資金計画などに基づく「質の高いインフラ投資」を原則とすることで、中国を含むG20参加国で合意する見通しだ。

支店や工場といった拠点で生み出す利益に課税する現行の国際ルールでは、拠点を置かずに巨額の利益を稼ぐ米グーグルなどの巨大IT企業から、適切に税金を徴収できていない。福岡会議では、新たな課税ルールづくりについて、2020年までの解決に向けた作業計画を承認する予定。具体的な課税基準などをめぐっては各国間の利害対立も激しく、調整は難航しそうだ。

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