安倍首相、米イラン仲介へ=参院選へ外交成果狙う

政治・外交

安倍晋三首相は12日から3日間の日程で、現職首相として41年ぶりにイランを訪問する。核合意をめぐり米国との緊張が高まる中、首相はロウハニ大統領らイラン指導部に平和的解決を働き掛ける考え。夏の参院選を見据え、国際社会も注目する仲介外交で成果を狙う。

首相の強みは、トランプ米大統領との個人的信頼関係と日イランの伝統的友好関係だ。イランのザリフ外相が5月、トランプ氏に先立って急きょ来日したことについて、外務省幹部は「両方と腹を割って話せる国は日本だけだ」と胸を張った。

米軍の空母派遣などで緊迫度が増す中、トランプ氏の話し合い呼び掛けに対し、イランの最高指導者ハメネイ師は「米国との交渉は毒」と応じておらず、こう着状態が続く。首相はハメネイ師に直接対話を促すとみられる。政府関係者は「取り持つだけで得点が稼げる。日本にとってメリットしかない」と楽観的な見通しを示した。

ただ、中東でイランと対立する国々との関係に影響が及ぶのは避けられない。安倍首相は7日までにサウジアラビアのムハンマド皇太子やイスラエルのネタニヤフ首相らと電話会談し、イラン訪問について理解を求めた。中には不快感を示した国もあり、別の外務省幹部は「リスクはある」と認める。

国会の会期延長がなければ、参院選は7月4日公示、同21日投開票の日程が想定される。「外交は票にならない」の通説とは裏腹に、自民党は参院選公約で外交を前面に押し出した。首相のイラン訪問について、政府内では「選挙向けの政治ショー」との声も漏れている。

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