海外流出防止に本腰=ブランド果樹、中韓対策で-農水省

政治・外交

農林水産省はブドウやイチゴなど国産のブランド果樹の海外流出防止に向けた取り組みに本腰を入れる。日本の高級品種の人気は世界的に高く、苗木や種子が無断で持ち出されたり、国外で栽培されたりするケースが相次いでいる。農林水産物・食品の年間輸出額が1兆円に迫る中、一段の輸出拡大に水を差しかねず、規制強化を含め関連法の改正も視野に入れる。

中国や韓国で無断栽培され、マレーシアやタイなどに出回っている日本の高級ブドウ「シャインマスカット」。農水省によると、苗木が中韓に持ち出され、現地で収穫されたものが東南アジアで流通しているという。輸出を手掛けるJAふえふき(山梨県笛吹市)は「中韓産の方が日本産よりも割安だ」(指導販売部)として、販売への悪影響を懸念している。

シャインマスカットは2006年から種苗法に基づき日本国内では知的財産として保護されているが、「輸出を想定しておらず、国外では品種登録されていなかった」(農水省)。同省は約2年前に中韓産が出回っていることを確認したが、両国の品種保護制度への申請期限が過ぎていたため、差し止める手だてがなく泣き寝入りせざるを得なかった。

農水省はシャインマスカットと同じ轍(てつ)を踏むまいと、今年3月に種苗法の改正も視野に入れた海外流出防止策などを話し合う有識者検討会を設置。新品種の開発促進策なども含め、今後、議論を加速させる方針だ。

中国で栽培されている日本の高級ブドウ「シャインマスカット」(農林水産省提供)中国で栽培されている日本の高級ブドウ「シャインマスカット」(農林水産省提供)

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