サンマの早取りに疑問も=流通業者は旬の秋に期待

経済・ビジネス

サンマ漁が例年よりも2カ月近く早く始まり、首都圏のスーパーで「生サンマ」の販売がスタートしたが、季節外れで小ぶりなため売れ行きはさえない。流通関係者からは、脂が乗る旬の秋に期待を寄せる声が多く、早期の出漁に疑問の声も上がっている。

不漁続きのサンマについて、水産庁は漁獲の回復に向け、今年から大型船が公海で1年を通じて操業できるよう規制を緩和。5月中旬から太平洋の公海へ出港し、6月15日までに150トン以上のサンマを北海道の根室港で水揚げした。

魚体は、昨年までの初物よりも一回り小さい1匹当たり100グラムほど。東京・豊洲市場(江東区)にも数回入荷したが「細身で脂が乗っていない」と仲卸業者。東京の大手スーパーなどでは1匹200円前後で販売され「割高感もあって消費者の反応は鈍かった」(小売業者)という。

早取りのサンマについて、都内の鮮魚専門店は「小さいばかりか、漁場が遠いため鮮度も良くない」と仕入れを見送り、脂が乗る秋本番に期待する。豊洲の卸業者も「不漁は続いているが、盆過ぎには身が太ったサンマが市場に入ってくるだろう」と待ちわびる。

サンマの漁が早まったことに対し、公海ではなく、小型船で7月に沿岸で漁を始める北海道の漁業者は、資源への悪影響を心配するほか「小ぶりの未成魚が出回って、サンマに対する消費者のイメージダウンになるのでは」と不安の声を上げる。

近年、サンマは秋になっても漁場が遠く不漁続きだが、公海では魚群の発生が早まり、5月ごろから形成されている。大型船の早期出漁は「この時期に少しでも水揚げを稼ぎたい」という漁業者の訴えが反映された。

不漁対策で出漁が早まり、季節外れの初夏に入荷した小ぶりの生サンマ=8日、東京都江東区の豊洲市場不漁対策で出漁が早まり、季節外れの初夏に入荷した小ぶりの生サンマ=8日、東京都江東区の豊洲市場

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