工業品関税、進展見通せず=米、撤廃なお慎重-事務協議

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【ワシントン時事】日米両政府は20日、貿易協定交渉をめぐる工業製品分野の事務レベル協議をワシントンで行った。日本は、米国が産業機械や化学品などにかける関税の早期撤廃・引き下げを要求。これに対して、自国産業保護を優先するトランプ政権は慎重姿勢を貫いた。両国は「参院選後の早期成果」を目指すとされるが、突破口は開けず、関税交渉の進展は見通せていない。

日米貿易交渉は4月中旬に開始。両国は先週、全貿易品目の関税率を確認し合い、交渉の土台を整えた。今回の協議に日本側は経済産業、外務両省から実務者が参加し、本格的な関税交渉に入った。協議は約3時間行われた。

来週大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた日米首脳・閣僚会談を見据えて、関税撤廃対象品目の絞り込みを進めた。日本は、米国の強い抵抗が見込まれる自動車以外に、産業機械や化学品を含めた幅広い品目で攻め込んだが、守勢に立たされた米側は、閣僚の判断に委ねる姿勢を見せた。

茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は先週、実務に精通した交渉官同士の協議を加速させる方針を決めた。だが、日本政府関係者によると、米国は依然として実務者に十分な権限を与えていない。米国は難航している中国との貿易協議再開に動いており、対日交渉に本腰が入りにくくなっている可能性もある。

トランプ大統領は来年秋の大統領選をにらんで米製造業の復活を推し進める構え。日本の農産品、米国の工業製品という互いが死守したい「聖域」の扱いをめぐる隔たりは大きい。両国は25日に東京で農産品分野の事務レベル協議を行うが、早期妥結に向けた道筋は描けそうもない。

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