「那覇の台所」一時閉鎖=牧志公設市場、建て替えへ-沖縄

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那覇市の中心部で市民の「台所」として親しまれ、定番の観光スポットでもある「第一牧志公設市場」が16日、老朽化による建て替えのため現在の建物での営業を終了した。開業から47年がたち、昭和のレトロな雰囲気を残してきた建物は一新され、2022年4月に同じ場所で再開する。

16日は移転の知らせを聞いて訪れた多くの客が別れを惜しみ、市場のシャッターが閉まると「ありがとう」と声が上がった。閉鎖後のセレモニーで粟国智光組合長(44)は「日本固有の文化財的価値のある市場がなくなるのは寂しいが、22年に良い市場ができると願っている」とあいさつした。

市場は、戦後の闇市が前身で1950年に開業し、72年に現在の建物が完成した。当時は地元の買い物客でにぎわい、沖縄伝統の重箱料理の食材を調達する際には欠かせない存在だったという。

しかし、80年代から周辺の大型スーパーの勢いに押され始め、観光客を呼び込む方針に転換。90年には1階で買った肉や魚を2階の食堂で調理する「持ち上げ」を始めたほか、近年は外国人従業員を雇うなどして、訪日客の取り込みも図った。

迷路のように入り組んだ独特な雰囲気を惜しむ人は多く、市などは建物の延命策も模索したが、耐震性の問題から断念。店員と客が会話を楽しみながら販売する店構えは残しつつ、料理教室などを新設した「沖縄の食の発信拠点」に建て替えることを決めた。

7月からは仮店舗での営業が行われるが、一時閉鎖を機に店を畳む人もいる。食材店を営んできた上原節子さん(73)は「かまぼこ店だった開場当初は今の20倍くらい売れた。市場が(仮店舗に)移転しないならあと4、5年続けたが、跡を継ぐ人もいないし仕方ない」と話す。

再開後も客足を維持できるか不安の声も漏れるが、粟国組合長は「若者の店舗も入ってもらい、沖縄のオリジナリティーあふれる市場にしたい」と生まれ変わる市場に期待を寄せている。

老朽化による建て替えのため、16日で営業を終了し一時閉鎖する第一牧志公設市場=同日午後、那覇市老朽化による建て替えのため、16日で営業を終了し一時閉鎖する第一牧志公設市場=同日午後、那覇市

建て替え後の新たな第一牧志公設市場のイメージ(那覇市提供)建て替え後の新たな第一牧志公設市場のイメージ(那覇市提供)

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