インパール作戦75年で慰霊式=遺品展示の資料館も開館-インド

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【インパール(インド)時事】第2次大戦の激戦地だったインド北東部マニプール州インパールで22日、攻略作戦に臨んだ日本軍の撤退から75年を迎え、戦没者の慰霊式典が実施された。同日は、日本軍兵士の遺品や地元住民の被害状況を展示した平和資料館も開館。戦闘に関わった日英印各国から約250人が追悼のため同地を訪れた。

式典では、平松賢司・駐インド大使らがインパールの激戦地レッドヒルなどの慰霊碑に献花。同大使は記者会見で「資料館は、日英印が困難な時代を越え、大変建設的で友好的な関係を築いてきた和解のシンボルだ」と述べ、今後も3カ国の関係を強化すると強調した。

式典には、作戦から生還した日本兵の故土谷伝吉さんの長男仁志さん(65)=静岡市清水区=も参列。「父や戦友は命令されるままにここまで来て、ふるさとの妻や子供のために戦った。インドの人々も巻き込まれた。今の平和がその犠牲の上にあることを忘れてはいけない」と力を込めて語った。

レッドヒルには、日印両国が協力し「インパール平和資料館」が開館。作戦に参加した日本兵の遺族から衣服や水筒など約50点が寄贈された。仁志さんも父が描いた戦場の悲惨さを伝える絵などを寄贈した。また、戦闘に巻き込まれて死亡したことが判明した地元住民237人の氏名などを記した木札が壁に埋め込まれている。

資料館の運営委員で、インパールで遺品の収集などに当たってきた「第2次世界大戦インパール作戦財団」のユムナム・ラジェシュワル代表(42)は、「勝利した軍人を顕彰するのではなく、(一般兵士を含めた)市民の被害に焦点を当てたかった。沖縄県平和祈念資料館などを訪れ、展示を参考にした」と語った。

インド北東部インパールで、インパール作戦犠牲者の慰霊碑へ献花に向かう日本の平松賢司駐印大使(右)=22日インド北東部インパールで、インパール作戦犠牲者の慰霊碑へ献花に向かう日本の平松賢司駐印大使(右)=22日

22日、インド北東部インパールで実施された慰霊式典で献花する日本兵の遺族土谷仁志さん(手前左から3人目)22日、インド北東部インパールで実施された慰霊式典で献花する日本兵の遺族土谷仁志さん(手前左から3人目)

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