ナスカ地上絵、鳥3点特定=生息しないペリカンも-謎解明に期待・北大など

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北海道大総合博物館などの研究グループは、ペルー南部の世界遺産「ナスカの地上絵」に描かれた鳥16点を鳥類学的に分析し、3点をペリカン類とカギハシハチドリ類と特定した。いずれもナスカ周辺には生息しておらず、地上絵が描かれた目的など、謎の解明につながると期待される。

研究グループは、16点の形を詳しく分析し、特徴を比較。うち13点は種類を特定できなかった。これまで「コンドル」「フラミンゴ」とされてきた絵は、くちばしや尾羽の特徴などから違う鳥だと判明した。

特定されたうち2点は、冠羽やかぎ状になっているくちばしの先の形態、突出した胸などからペリカン類と判断。1点はこれまでもハチドリとされていたが、突出した尾羽の中央部分や細長いくちばしなどからカギハシハチドリ類と特定した。

同博物館の江田真毅准教授(動物考古学)によると、ナスカには海鳥が海水を山に落としてナスカ台地に水が流れてくるとの民話があり、海鳥は雨期の予兆とされているという。同准教授は「ペリカン類は雨乞いの象徴として描かれたのでは」と指摘した。

鳥は地上絵と同時期に作られた土器や織物にもよく描かれ、神殿遺跡からも羽毛が残る死骸が大量に発掘されているという。江田准教授は「宗教儀式で神にささげた鳥や、日常的に使われた土器に描かれた鳥を特定し比較することで、地上絵の目的が明らかになれば」と意気込む。

地上絵と土器に描かれた鳥の多くには、足が明瞭に描かれている。鳥は空気抵抗を避けるため、通常、飛ぶ時に足は見えない。江田准教授は「足が見えるのは着陸する時か、何か持っている時。何か意味があるのでは」と話し、鳥の描き方の法則も導きたいとしている。

ペリカン類と特定されたナスカの地上絵の図(上)とペリカン類の写真(江田真毅准教授提供)ペリカン類と特定されたナスカの地上絵の図(上)とペリカン類の写真(江田真毅准教授提供)

カギハシハチドリ類と特定されたナスカの地上絵の図(上)と鳥取県立博物館所蔵のカギハシハチドリ類の剥製(江田真毅准教授提供)カギハシハチドリ類と特定されたナスカの地上絵の図(上)と鳥取県立博物館所蔵のカギハシハチドリ類の剥製(江田真毅准教授提供)

ペリカン類と特定されたナスカの地上絵の図(上)とペリカン類の写真(江田真毅准教授提供)ペリカン類と特定されたナスカの地上絵の図(上)とペリカン類の写真(江田真毅准教授提供)

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