人工ふ化のウナギかば焼き=味は上々、課題はコスト-水産研究機構

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「土用の丑(うし)の日」を来月に控え、国立研究開発法人の水産研究・教育機構は21日、人工的にふ化させ、育てた養殖ウナギのかば焼きを報道陣に公開した。味は上々で天然稚魚の不漁を補う救世主として期待が高まるが、商業化には生産コストの引き下げが課題となる。

ウナギの生態は不明な点が多く、受精卵から人工的に育てることは難しい。機構はこのほど、成魚から取り出した受精卵をふ化させて「シラスウナギ」と呼ばれる稚魚に育成することに成功。この稚魚を鹿児島県などの養殖業者が成魚まで育てた。かば焼きの味わいは「通常の養殖ウナギと遜色ない」(機構)という。

ただ、ふ化から成魚になるまで約700日と通常の約1.4倍の時間がかかる。量産も難しいことから、人工ふ化の稚魚の価格は1匹約5000円と天然物の10倍。このウナギでうな重を作れば、値段は1万円を超える計算になる。

食卓に並ぶのはまだ先となりそうだが、機構では「育成期間を短縮し、コスト削減につなげたい」(増養殖研究所の乙竹充所長)と話している。

人工ふ化させ、育てた養殖ウナギのかば焼き(左)。右は天然の稚魚から育てたもの=21日、農水省人工ふ化させ、育てた養殖ウナギのかば焼き(左)。右は天然の稚魚から育てたもの=21日、農水省

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