経済界、事態打開に期待=対韓輸出規制、米中の二の舞いも

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政府の韓国向け半導体材料の輸出規制強化について、経済界は元徴用工問題で行き詰まる日韓関係の打開につながる可能性があると一定の理解を示す。背景には今回の措置は相対的に韓国経済への打撃が大きく、いずれ韓国側が軟化するとの目算がある。だが、2国間の摩擦が貿易面の損得だけで解決できないのは米中間で実証済み。期待とは裏腹に「報復合戦」に発展するリスクをはらんでいる。

「信頼関係が著しく揺らいでいるという日本政府のメッセージを(韓国側は)真摯(しんし)に受け止め、早く正常な状態に戻ってほしい」。経済同友会の桜田謙悟代表幹事は2日の記者会見でこう強調した。

元徴用工問題が日韓請求権協定で解決済みとの見解は日本政府と同じ。経済界では、国際的な仲裁にも応じない韓国側の態度に「課題の解決に動こうとしていない」(三村明夫日本商工会議所会頭)と、不満がくすぶっている。

半導体材料は韓国の主力産業であるスマートフォンなどの製造に不可欠なため、韓国側に行動を促す契機になるとの期待感が政府方針への理解につながっているもようだ。

しかし、韓国政府は世界貿易機関(WTO)提訴を含め「必要な措置を取る」と対決姿勢を崩していない。日韓の貿易量は輸出入総額で年10兆円近くになる。最近では第三国で液化天然ガス(LNG)プラントを共同受注するなど民間同士の結び付きも強まっている。報復合戦になれば、両国経済への影響は未知数だ。

5月にソウルで開催予定だった日韓財界人の会合「日韓経済人会議」が今年後半以降に延期されるなど、既に関係悪化の影響は経済交流に及んでいる。最終的に開催が見送られれば、1969年の会議開始以来、初めての事態。経済レベルでの「信頼関係の揺らぎ」につながりかねない。

昨年の日韓経済人会議であいさつする安倍晋三首相(中央)=2018年5月15日、東京都港区昨年の日韓経済人会議であいさつする安倍晋三首相(中央)=2018年5月15日、東京都港区

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