ロシア沿海地方の日本人観光客急増=電子ビザ「開国」、制約も

政治・外交

ロシア極東への渡航手続きを簡素化する「電子ビザ」の導入から2年近くが経過し、風光明媚(めいび)な港町ウラジオストクなど沿海地方を訪れる日本人観光客が急増している。「親日的な雰囲気」(旅行本編集者)も相まって、導入前は1万人に満たなかった訪問者数が2018年は初めて2万人を超え、今年は倍増も予想される。ただ、電子ビザは他国を旅行する際の「ビザ免除」と異なって制約もあり、注意が必要という。

プーチン政権は適用都市を順次拡大。「開国」してビジネスマンや観光客を誘致し、14年のウクライナ危機後の欧米の制裁による経済停滞に歯止めをかけ、閉鎖的なイメージの向上も図りたい考えとみられる。

旅行ジャーナリストで今月発売の「ウラジオストクを旅する43の理由」の著者、中村正人さん(55)は日本人の増加について「日本のすぐ近くに『欧州』があると戦後70年は意識されなかったが、考え方が変わってきた」と分析。町歩きやグルメ、買い物を楽しむ若い女性の姿も目立つようになったと話す。

一方、電子ビザはホームページで事前申請できる点で利便性が高いが、パスポート情報を誤って記入すると、飛行機への搭乗手続きの直前まで気付かず、搭乗拒否の憂き目に遭うこともある。中村さんによれば、グループ旅行で1人だけ渡航できないトラブルも発生しているという。

電子ビザでは、通常のビザと違い出入国地点を同じにするのが原則。日本外務省は「ウラジオストクから入国し、モスクワから第三国に出国しようとした人が不法出国を試みたとして罰金を科される事案が続いている」と注意喚起した。

現地メディアによると、プーチン政権は21年にも電子ビザを全土に拡大する方針。今月から、哲学者カントの生誕地カリーニングラード(旧称ケーニヒスベルク)にも適用した。ロシアはまた、14年のソチ冬季五輪、18年のサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で、チケット保有者のビザを免除した。

ロシア極東の港町ウラジオストクの土産物店前=4月25日(AFP時事)ロシア極東の港町ウラジオストクの土産物店前=4月25日(AFP時事)

ロシア極東ウラジオストクの高台から風景を眺める人=4月23日(AFP時事)ロシア極東ウラジオストクの高台から風景を眺める人=4月23日(AFP時事)

[Copyright The Jiji Press, Ltd.]

時事通信ニュース 観光 観光政策 ロシア ウクライナ