対韓強硬姿勢鮮明に=安倍政権、参院選にらみ

政治・外交

安倍政権が韓国への強硬姿勢を鮮明にしている。元徴用工問題をめぐり信頼関係が損なわれたとして、韓国向け半導体材料の輸出管理を4日付で強化。安倍晋三首相も批判のトーンを強めている。国民の間に嫌韓感情の広がりが見える中、21日投開票の参院選をにらみ、厳しい態度で臨んだ方が支持を得やすいとの読みもあるとみられる。

「(韓国は)国際約束をほごにした。日本もやるべき時はやる」。首相は3日のテレビ朝日の番組で、長引く元徴用工問題が輸出規制の背景にあると明言。韓国政府が打開策として最近示してきた日本企業の資金拠出案を「とても飲めるものではない」と一蹴した。

公示日の4日のNHK番組では「隣国といい関係を持ちたいが、国際社会の常識に従って行動してもらいたい」と述べ、当面の関係悪化はやむを得ないとの認識をにじませた。5日には日韓合意に基づく元慰安婦支援財団が登記上の解散手続きを終えたのを受け、政府が外交ルートで抗議した。

安倍政権がかたくなな態度を強めたのは、6月28~29日の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)までに韓国政府が元徴用工問題の有効な打開策を示さなかったためだ。首相はG20サミットに合わせた文在寅大統領との会談を事実上拒否。閉幕後、直ちに輸出規制を発表した。

規制は首相官邸と経済産業省が主導し、外務省は事実上、蚊帳の外に置かれたもよう。政府関係者は、6月上旬に日韓防衛相会談に臨んだ岩屋毅防衛相が保守層を中心に批判を浴びたことも「強気の態度を後押しした」と指摘する。

6月中旬発表の日韓の民間団体による共同世論調査では、韓国に好印象を持つ日本人が過去最低の20%に落ち込んだ。

韓国政府は輸出規制に対抗策を講じる構えを見せており、対立の先鋭化も否定できない。海上自衛隊機に対するレーダー照射問題も未決着のまま。日本政府内では「このままでは日韓関係は修復不能になる」(外務省関係者)との懸念も漏れる。

安倍晋三首相(左)と韓国の文在寅大統領=6月28日、大阪府(EPA時事)安倍晋三首相(左)と韓国の文在寅大統領=6月28日、大阪府(EPA時事)

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