サンマの乱獲になお不安=国際機関の国別枠未決定で

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サンマの国際管理機関で日本をはじめ加盟国・地域の総漁獲枠が決まり、乱獲回避への期待が高まる一方、それぞれの配分が決まっていないため、当面「漁獲競争が激しくなるのでは」といった声が上がっている。

7月中旬に東京で開催された北太平洋漁業委員会(NPFC)では、北太平洋での中国、台湾などを含めた総漁獲枠を2020年から約55万トンとすることで合意。初めて全体の漁獲上限が設定され、国際管理の下で資源回復への道が模索されることになった。

総漁獲枠については、ここ数年の実績を大幅に上回る水準に設定されているため「資源回復につながるのか」(漁業関係者)といった声も少なくない。さらに総枠のうち、公海の漁獲枠(33万トン)の国・地域への配分は、来年夏に協議するため、「それまでにできるだけ漁獲しようとする動きが出てくるのでは」(同)との指摘もある。

日本は独自にTAC(漁獲可能量)制度を実施しているが「現時点で明確な漁獲規制がない外国船は、実績を上げて漁獲枠をより確保しようとサンマを乱獲しかねない」(別の漁業関係者)という見方もある。

外国船は5月ごろから北太平洋の公海でサンマを漁獲。日本の大型船も今年から5月中に出漁したが「漁獲は少なく資源状態は悪い」(同)という。大型船の後、近海でサンマ漁を行っている北海道の小型船の関係者も「サンマの魚群はなかなか見つからず、資源は危機的な状態」と肩を落とす。

5月からの先取りについては「外国船はともかく、秋の旬の時期を知っている日本では価値の低い成長途中のサンマを取るべきではない」と東京・豊洲市場(江東区)の卸会社幹部は苦言を呈する。

日本は秋の近海での漁に期待する一方、外国船は先取りだけでなく、秋にも公海でサンマ漁を行っている。関係国の今後の漁獲動向が注目されると同時に、サンマの不漁を脱するため、NPFCでの厳格な資源保護策を急ぐ必要がありそうだ。

不漁続きで資源の国際管理が急務となっているサンマ=6月10日、東京都江東区の豊洲市場不漁続きで資源の国際管理が急務となっているサンマ=6月10日、東京都江東区の豊洲市場

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