「三鷹事件」再審認めず=70年前の電車暴走-東京高裁

社会

東京都三鷹市の旧国鉄中央線三鷹駅で1949年、無人の電車が暴走し6人が死亡するなどした「三鷹事件」で、電車転覆致死罪で死刑が確定後、獄死した竹内景助元死刑囚=当時(45)=について、東京高裁(後藤真理子裁判長)は31日、再審開始を認めない決定をした。

後藤裁判長は弁護側が提出した新証拠について、「自白の根幹部分の信用性を否定しない。無罪を言い渡すべき明らかなものではない」と結論付けた。弁護団は異議を申し立てる方針。

弁護団は、暴走した電車(7両編成)の写真を分析した大学教授(鉄道工学)の鑑定書などを新証拠として提出し、第2車両のパンタグラフや最後尾の前照灯が操作された疑いを指摘。「第1車両に侵入、発車させた」とする自白と車両の状況は食い違うと主張した。

後藤裁判長は「事故は大規模だったにもかかわらず、パンタグラフの破損は軽微」と指摘。発車時に上昇操作されていれば大きく損傷していたはずだとして、弁護団の主張を否定した。前照灯も、もともとスイッチが入ったままで、「第1車両で通電した際に点灯したと考えられる」と判断した。

確定判決によると、竹内元死刑囚は49年7月15日夜、停車していた電車の第1車両に侵入し、紙ひもでハンドルを固定した上、車両に電気を流すなどして暴走させ逃走。駅にいた6人を死亡させた。

竹内元死刑囚は再審請求中の67年、収容先の東京拘置所で病死。2011年、長男の健一郎さん(76)が改めて裁判のやり直しを求めていた。

記者会見した高見沢昭治弁護団長によると、健一郎さんは「おやじは犯人じゃない。父親も悔しいだろうし、ひっくり返してください」と語ったという。高見沢弁護士は「真実を明らかにして冤罪(えんざい)を晴らさねば」と力を込めた。

「三鷹事件」の再審請求が棄却され、不当決定と書かれた垂れ幕を掲げる弁護士=31日午後、東京都千代田区「三鷹事件」の再審請求が棄却され、不当決定と書かれた垂れ幕を掲げる弁護士=31日午後、東京都千代田区

「三鷹事件」の再審請求が棄却され、支援者を前に話す高見沢昭治弁護団長(右)ら=31日午後、東京都千代田区「三鷹事件」の再審請求が棄却され、支援者を前に話す高見沢昭治弁護団長(右)ら=31日午後、東京都千代田区

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