輸出企業、泥沼化を警戒=反日感情で観光に打撃

経済・ビジネス

政府が韓国を貿易管理上の優遇対象国から除外する決定を受け、日本の輸出企業は日韓関係の泥沼化に伴う長期的影響を懸念する。観光業界などでは影響が出始めており、反日感情や不買運動の動向に警戒を強めている。

トヨタ自動車の白柳正義執行役員は2日の決算会見後、記者団に「どういう影響が出るか測りかねる」と警戒感を隠さなかった。米中摩擦とも重なって世界の貿易体制が揺らげば、円高などの形で業績悪化に跳ね返るためだ。

今回の輸出管理強化は、訪日外国人の2割強を占める韓国人の反日感情を助長しかねない。JR九州グループは福岡県などと同国を結ぶ高速船を運航しているが、「7月の韓国人利用者は前年同月比で3割減。8月は4割減りそうだ」(広報)と話す。ある大手旅行会社は、日本から韓国への旅行の予約状況について「(キャンセル料不要の)9月中旬以降の動きが鈍い」と打ち明けた。

キリンホールディングス(HD)などビール大手3社は韓国でのテレビCMを休止中。キリンHDは「不買運動の激化など現地動向を注視していく」(広報)と危機感を強める。売上高の大半を同国で稼ぐデサントの筆頭株主、伊藤忠商事の鉢村剛専務は「影響を受けなくて済むとは思っていない」と硬い表情で話した。

ただ、韓国への輸出管理強化は禁輸措置と異なる上、厳格な内部管理制度が整った工作機械大手などは毎回の申請が不要な特別の許可証を取得している。日本工作機械工業会は「影響はない」との認識で、半導体製造装置の東京エレクトロンも同じ優遇が受けられるという。

一方、半導体材料を手掛ける大阪市のステラケミファは「フッ化水素の韓国向け輸出の許可が出ない」(広報)と困惑。他製品に影響しかねず追加規制の内容確認を急いでいる。

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