バリアフリー国会、課題山積=質疑方法、介護の公費負担

政治・外交

第199臨時国会は5日閉幕した。7月の参院選で重度障害を持つれいわ新選組の舩後靖彦、木村英子両氏が初当選したことを受け、本会議場の改修など設備面でのバリアフリー化は進んだ。ただ、本格論戦が始まる秋の臨時国会以降、両氏が質疑をどう行うかなど課題は多く、与野党は検討を急ぐ方針だ。

今国会は院の構成などにとどまり、与野党の論戦は秋の臨時国会に持ち越された。両氏をめぐり大きな課題になりそうなのは、本会議や委員会での質疑だ。舩後氏は筋萎縮性側索硬化症(ALS)のため、声を出すことができず、文字盤を目線で追い介助者が読み取るなどして意思疎通している。

事前に質問を用意することで、ある程度の対応は可能だが、一問一答で行う委員会では、質疑に時間がかかることが予想され、当意即妙なやりとりも難しいとみられる。少数会派のれいわは質疑時間の配分が限られるため、自民党内からも「与野党全体で配慮していくべきだ」(中堅)との声が出ている。

公務中の介護支援の在り方も引き続き課題だ。舩後、木村両氏は、障害者総合支援法に基づく「重度訪問介護」サービスを受けているが、歳費を受け取る議員活動の間は「経済活動」と見なされて公費の対象外。このため参院が当面、費用を負担する。参院事務局は今後、具体的な負担の在り方について厚生労働省と協議する方針だ。

ただ、日本維新の会の松井一郎代表は「一部の人だけが優遇される制度を国会議員がつくるのは大問題だ」と批判。れいわは制度自体の改正を主張しており、木村氏は5日、「全ての障害者に就労や就学を権利として認め、公費で社会参加できるようにすべきだ」などと訴える質問主意書を提出した。

れいわの両氏は福祉車両を公用車として配備することも要望。これを受け、自民党は5日の参院議院運営委員会理事会で、新たに購入することを提案した。

今後、両氏の議員活動の本格化に伴い、新たな課題が出てくることも予想される。参院選後の国会は「バリアフリー国会」に向けて踏み出したが、与野党は今後も手探りの対応を迫られそうだ。

参院本会議に出席するれいわ新選組の木村英子氏(左端)と舩後靖彦氏(右から2人目)=5日午後、国会内参院本会議に出席するれいわ新選組の木村英子氏(左端)と舩後靖彦氏(右から2人目)=5日午後、国会内

参院の政治倫理・選挙制度特別委員会に出席し、文字盤を見るれいわ新選組の舩後靖彦氏(右)=5日午前、国会内参院の政治倫理・選挙制度特別委員会に出席し、文字盤を見るれいわ新選組の舩後靖彦氏(右)=5日午前、国会内

参院の東日本大震災復興特別委員会に出席したれいわ新選組の木村英子氏(右端)=5日午前、国会内参院の東日本大震災復興特別委員会に出席したれいわ新選組の木村英子氏(右端)=5日午前、国会内

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