デジタル化、対応遅れに危機感=規制改革、首相の指導力期待-大田弘子氏に聞く

政治・外交

政府の規制改革推進会議が7月末で設置期限を迎えた。秋にも後継組織が発足し、安倍政権の規制改革の取り組みが再始動する。約3年にわたり同会議の議長を務めた大田弘子政策研究大学院大特別教授に今後の課題などを聞いた。

-民間の有識者が答申する会議の意義は。

一般の審議会にありがちな、(役人で構成する)事務局が議案を設定して、報告書の原案を作っていくのとは違って、委員で何を取り上げるかを検討し、それぞれのワーキンググループの座長が意見書の原案を書いていく。委員が自ら汗をかいて役所とも折衝する、割と珍しい会議体だ。規制改革は役所とも、業界団体とも対立する。

-デジタル化が進む中、スピード面の課題は。

第4次産業革命といわれるデジタル化が新たなフェーズに入ってきている中で規制をどうするのかはものすごく大きい課題だ。技術変化のスピードが非常に速い、それが普及するスピードも速い中、制度や規制の変革が追い付いていない。

例えば運輸業は、バスとトラックとタクシーと、全部(規制が)違う。貨物も、大口貨物と小口貨物に分かれている。細かい縦割りの法律が、今進みつつあるデジタル化に適合していない。規制改革が遅れる弊害がより大きくなる。

-規制改革を担う会議と、他の政府の会議の間でどのような連携を期待するか。

例えば雇用の規制は、職業訓練、社会保障制度、税制など全体のパッケージで進めていかないと理解も得られない。経済財政諮問会議など、全体を議論できるところであるべき全体像をまず描き、規制に関わる部分は(新たな)規制改革会議が引き受けるという具合になるといい。

どうしても安倍晋三首相にリーダーシップを発揮していただきたい局面はある。案件を一つ一つ首相に指示を出していただくわけにはいかないので、首相が議長を務める経済財政諮問会議などで全体のあるべき姿を議論し、それぞれの会議体に下ろしていければいい。

インタビューに答える規制改革推進会議議長を務めた政策研究大学院大学の大田弘子特別教授=7月30日、東京都港区インタビューに答える規制改革推進会議議長を務めた政策研究大学院大学の大田弘子特別教授=7月30日、東京都港区

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