児童の体験学習後押し=住民主体で「防災キャンプ」-ゲーム交え意識高める・広島市

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「子どものうちから防災意識を高めることが大事」。広島土砂災害や、昨夏の西日本豪雨で甚大な被害を受けた広島市では、住民が主体となった小学生向け体験学習「防災キャンプ」が始まった。参画した地元の町会長倉岡弘至さん(63)らは「体も使い、興味を持って考える機会にしたい」と、ゲームを取り入れるなどの工夫を凝らしている。

西日本豪雨で住民ら18人が犠牲になった同市安芸区。1泊2日のキャンプは夏休み中の7月下旬、区の避難所の一つに指定されている市立みどり坂小学校で行われ、1~6年生ら約50人が参加した。

キャンプでは、被災者から断水時の体験を聞き、携帯トイレの使い方を教わったり、市職員の指導で棒や布を使って簡易担架を作り、ボールを早く運ぶ競争をしたりした。カードを使い、「家の下敷きになった人を助けるにはどんな道具を使えばよいか」といった問題の解決策を話し合うゲームにも取り組んだ。

防災食の手作りなども体験。チーズとジャガイモのお菓子に湯を混ぜた即席ポテトサラダやカレーライスなどを新聞紙とラップで作った「食器」に盛って食べ、水着を着てドラム缶風呂に入った。

参加した6年生の中山すみれさん(11)は「お風呂が面白かった。防災食づくりが役に立つと思った」と真面目な表情。ボランティアで運営を手伝った森富奈美さん(39)は「楽しみながら防災に役立つ知識を身に付けてほしい」と2年生の息子蓮翔くん(8)に目をやった。

真剣ながらもキャンプを楽しむ子どもたちの様子に、倉岡さんは「毎年継続し、30~40代の若い親御さん世代の意識も深めたい」と意気込む。市は過去の災害の被害を記した伝承碑巡りなどの体験学習を増やす方針で、災害予防課の担当者は「子どもたちは将来の地域の担い手。日頃から防災意識を持ってもらいたい」と話している。

簡易担架の作り方を学ぶ児童ら=7月27日、広島市安芸区の市立みどり坂小学校簡易担架の作り方を学ぶ児童ら=7月27日、広島市安芸区の市立みどり坂小学校

新聞紙とラップで作った食器で防災食を食べる児童=7月27日、広島市安芸区の市立みどり坂小学校新聞紙とラップで作った食器で防災食を食べる児童=7月27日、広島市安芸区の市立みどり坂小学校

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