日米貿易交渉、基本合意=自動車関税撤廃は見送り-両首脳、9月の署名目指す

政治・外交

【ビアリッツ(仏南西部)時事】安倍晋三首相は25日(日本時間同)、トランプ米大統領とフランス南西部ビアリッツで2度にわたって会談した。交渉中の日米貿易協定について基本合意に達し、日本側が求めていた米国の自動車本体の関税撤廃は見送られることが決まった。両首脳は、9月下旬に米ニューヨークで開かれる国連総会の際に再会談し、協定の署名を目指すことで一致した。

2度目の会談でトランプ氏は、「米国にとって素晴らしい合意だ」と表明。首相は、「協定が発効すれば、日米双方に大きな好影響をもたらすだろう」と述べた。

貿易交渉は米ワシントンで23日に行われた茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表の協議で大枠合意に至った。米側が求めた米国産牛肉・豚肉の市場開放に関し、環太平洋連携協定(TPP)の水準を上限とすることとした。

農業分野では日本の主張がほぼ反映されたものの、自動車では対日赤字解消を迫るトランプ氏に譲歩した印象は否めず、10月に想定される臨時国会で野党から追及を受ける可能性がある。

会談に同席した茂木氏は記者団に対し、農業について「米国がTPP加盟国に劣後しない状況にした」と説明。米国が検討する自動車追加関税については「議論はなかった」と述べた。

首脳会談では、弾道ミサイル発射を繰り返す北朝鮮への対処についても協議。両首脳は、日米韓3カ国連携の重要性を確認した。

しかし、北朝鮮による24日の短距離弾道ミサイル発射に関する評価は食い違った。首相は「国連決議違反」として「極めて遺憾だ」と表明。トランプ氏は短距離弾を問題視しない考えを改めて示した。ただ、トランプ氏は「首相の気持ちはよく理解できる」と述べ、首相も「トランプ氏と緊密に連携している」と強調した。首相は条件を付けずに日朝首脳会談の実現を目指す方針を改めて伝えた。

両首脳は韓国を含めた連携を確認したものの、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の韓国による破棄に関するやりとりはなかった。

日本政府によると、緊張が高まるイラン情勢、中東ホルムズ海峡などの安全確保に向けて米国が提唱する有志連合構想は議題に上らなかった。

日米首脳会談でトランプ大統領(右)と握手する安倍晋三首相=25日午前、フランス南西部のビアリッツ日米首脳会談でトランプ大統領(右)と握手する安倍晋三首相=25日午前、フランス南西部のビアリッツ

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