日米貿易協定、9月下旬署名へ=農産物はTPP水準-首脳会談

政治・外交

【ビアリッツ(仏南西部)時事】日米両政府は25日、新たな貿易協定締結交渉で基本合意した。9月下旬の協定書署名を目指す。日本は牛肉や豚肉など米国産農産物に対し、昨年末に発効した環太平洋連携協定(TPP)の水準まで市場開放する。ただ、米国が検討する日本車への追加関税回避の確約を得るには至らず、火種は残った。

協定が署名されれば、国内では10月に想定される臨時国会で議論されるが、自動車問題が解決しないまま残れば、批判を浴びる可能性がある。

安倍晋三首相とトランプ大統領が同日、仏ビアリッツで会談。基本合意を確認した上で、協定文書作成などの事務作業を急ぐよう指示した。

基本合意では、日本の農産物市場開放は、TPPの水準を上限とした。TPPでは、牛肉関税は現行の38.5%から段階的に9%まで引き下げる。茂木敏充経済再生担当相は「米国がTPP加盟国に劣後しない状況を実現する」と説明した。米国は、工業品で譲歩し、幅広い品目で関税撤廃・削減に応じた。一方、日本が求めていた米国の自動車関税の撤廃は見送られた。

安倍首相は首脳会談で、米国産飼料用トウモロコシについて、日本の民間企業による250万トン規模の購入計画を説明した。米中貿易摩擦の激化で、米国は穀物の対中輸出が厳しい状況。日本企業が一部を買い入れて支援する形だ。

今後は、米国による日本車への追加関税を回避できるかどうかが焦点。米国は安全保障上の脅威として、25%とみられている上乗せ関税を検討している。貿易協定の交渉中は発動しないとしつつも、11月にも判断するとしていた。自動車業界にとって、米国は輸出額全体の3割以上を占める最大の輸出先。追加関税が適用されれば、国内経済や雇用への悪影響が避けられない。

トランプ大統領は25日午後の会見で、日本車への関税について「日本の関税は変えない」と発言。これを受け、茂木氏は「追加関税は適用しないということだ」との認識を示した。ただ、「追加関税発動の判断は大統領の専権事項」(日本政府高官)とされる。トランプ氏がどのように最終決断するか、予断を許さない状況だ。

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