産業界、アフリカに熱視線=市場開拓へ差別化急ぐ

経済・ビジネス

「グローバル市場最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカは、人口が2050年には25億人に膨らみ、世界の4人に1人が住む巨大市場となる見通しだ。成長力を取り込もうと、中国など海外企業が競って投資を活発化させており、日本企業は強みを持つ高い技術力で差別化を図りながら市場の開拓を急ぐ。

「アフリカ経済の成長のため、特に取り組むべき分野はエネルギーだ」。東芝の綱川智社長は、30日まで横浜市で開催中のアフリカ開発会議(TICAD)に合わせて28日に開かれた会合でこう語った。アフリカでは電気が通っていない地域も多く、インフラ整備は拡大が期待できる。東芝はケニアで地熱発電所の建設に携わってきた経緯があり、綱川氏は「多くの国や企業と協力を進めていきたい」と話した。三菱商事や丸紅など大手商社も未電化の地域で再生エネルギーの導入に力を入れる。

デジタル技術の活用も進む。NECは28日、世界食糧計画(WFP)と食料支援管理システムの更新に協力する覚書を交わした。指紋などで個人を識別する技術で二重配給を防ぐ。NECの遠藤信博会長は「食料を公平、効率的に配る仕組みをつくる」と飢餓撲滅に役立ててもらう考えだ。

豊田通商はフランスの商社を子会社化して事業を拡大。アフリカのすべての国で自動車販売網を確立した。ヤマハ発動機は20年をめどに、ケニアの企業と共同で無人ヘリコプターを使った農業・防災向け事業を始める。富士フイルムは停電時も使える小型医療機器を販売。「人工知能(AI)で診断効率を高める」(メディカルシステム事業部)ことで中国企業との差別化を進める。

アフリカにある日系企業の拠点は、17年で約800カ所(外務省調べ)。過去十数年で倍増したが、日本貿易振興機構(ジェトロ)の佐々木伸彦理事長は「諸外国に比べ日本の存在感が低下している。布石を打つことが必要だ」と進出拡大を呼び掛けている。

アフリカ開発会議(TICAD)に合わせて開かれた展示会。日本企業各社は技術と製品をアフリカ各国にアピールした=29日、横浜市アフリカ開発会議(TICAD)に合わせて開かれた展示会。日本企業各社は技術と製品をアフリカ各国にアピールした=29日、横浜市

食料支援管理システムの更新で協力の覚書を交わしたNECの遠藤信博会長(左)と世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長=28日、横浜市食料支援管理システムの更新で協力の覚書を交わしたNECの遠藤信博会長(左)と世界食糧計画(WFP)のビーズリー事務局長=28日、横浜市

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