災害備蓄に液体ミルク=常温可、自治体に広がり-コスト面など課題も

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常温で保存でき、お湯で溶かす必要がない乳児用液体ミルクを、災害時の備蓄物資にする動きが広がっている。政府は昨年8月、北欧などで普及が進む液体ミルクの国内での製造・販売を解禁。国内メーカーが相次ぎ市場に参入しており、一括購入する自治体も増えてきた。

「日本では使用例がなく衛生管理が難しい」。昨年9月の北海道地震で、道は液体ミルクの配布に慎重を期すよう求める通知を出した。東京都から支援物資として被災した5町に送られたが、日高町の担当者は「使用例がないと書かれていたら、住民に提供しようとは思わない」と不測のリスクを考慮したことを明かした。

結局、5町に配布された1050本は、1本を除きすべて、使われないまま廃棄された。安平町の担当者も「実物を見たこともなかったし、せっかく届いても何か分からなかった」と振り返る。

ただ、江崎グリコと明治が今春、液体ミルクの販売を開始して以降、風向きは変わりつつある。「お湯や水に溶かす必要がない」と利便性の高さが受け、乳児がいる若い夫婦などに浸透。7月には三重県が都道府県で初めて、備蓄物資の粉ミルクを液体ミルクに代えるなど、全国の自治体にも購入の動きが広がる。「被災直後に清潔な水の入手が難しい場面などでの使用が想定される」(県防災対策課)という。

備蓄物資としての浸透には課題も残る。青森県弘前市の防災課職員は「導入コストは粉ミルクの2倍。使い勝手がいいのは分かるが、財政面からの検討も必要」と二の足を踏む。まずは少量を購入して本格的導入への検討を進めるといい、「普及が進めば、価格もこなれてくるのではないか」と期待を寄せた。

江崎グリコ(左)と明治が販売する乳児用液体ミルク江崎グリコ(左)と明治が販売する乳児用液体ミルク

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