「自由」「思いやり」描く=愛され続ける「赤毛のアン」-作者孫ら語る

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L・M・モンゴメリ作の世界的なベストセラー小説「赤毛のアン」。文化の異なる日本でも長年愛され続ける背景や、作者の人物像の一端を、モンゴメリの孫らがインタビューで語った。

モンゴメリの孫のケイト・マクドナルド・バトラーさん(62)は、日本で作品が愛されるのは「多くの要因がある」と説明。戦後間もない時期に紹介された「自由を描いた作品」だったことや、作中の自然描写が伝統的な日本の文章に似ている点などが人気の背景にあると話した。

アンを日本に紹介した翻訳家、故村岡花子さんの孫の恵理さんは「人を思いやりながら共存するという、100年前と今も変わらない人間社会の在り方が描かれている」と作品の魅力を語った。

ケイトさんは赤毛のアン出版100周年に当たる2008年、晩年のモンゴメリがうつ病を患った夫の看病の影響などで精神を病み、薬の過剰摂取によって自ら命を絶っていたことを世間に公表した。ケイトさんは「精神疾患への偏見が根強い中、多くの人がそれを隠している」と指摘。「真実を伝えることが重要だと考えたし、(病気を)克服しようとする人の助けになるかもしれない」と、公表を決断した理由を振り返った。

自身は祖母に会ったことはないものの、父から思い出話を聞いている。ケイトさんは、夏に川沿いに張ったテントでモンゴメリが自身の子どもと物語を聞かせ合っていたというエピソードを紹介。「父はいかに祖母を愛していたかを話してくれた」とほほ笑んだ。(プリンスエドワード島=カナダ=時事)。

モンゴメリの孫のケイト・マクドナルド・バトラーさん(中央)と、故村岡花子さんの孫の村岡恵理さん(右)、美枝さん(左)=8月29日、プリンスエドワード島モンゴメリの孫のケイト・マクドナルド・バトラーさん(中央)と、故村岡花子さんの孫の村岡恵理さん(右)、美枝さん(左)=8月29日、プリンスエドワード島

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