地方のテレワーク、体に良い?=松江市、IT企業と実証実験

社会

職場以外で仕事をする「テレワーク」が注目されている中、松江市は大都市の会社員が市内でテレワークをしたらストレスが減るかどうかを調べる実証実験を始めた。健康増進効果を証明できれば、大都市から人を呼び込みたい地方都市だけでなく、メンタルヘルスケアやテレワーク関連の事業化を狙う企業の取り組みも加速するとみている。

実証実験は市や日本マイクロソフトなどのIT企業、島根大学など11者が協力。被験者は東京都内や名古屋市内などに勤めるIT企業6社のエンジニアやコンサルタントら40人で、松江市内のゲストハウスなどに5日間滞在して、サテライトオフィスなどで働く。

滞在中はヨガやウオーキングなどリフレッシュを促す活動にも参加する。市に来る前と滞在中、帰宅後に分けて血圧や唾液の成分、心拍数などを測定し、ストレスを数値化。その変化を島根大が検証する。

8月20日、日本マイクロソフトの社員5人がサテライトオフィスで「勤務」を始めた。都内在住の佐々木莉英さん(30)は満員電車での通勤を「過酷だった」と振り返る。自宅などで働くことも多いが、「ずっと家にいると頭も縮こまり、心も疲れる。松江では集中でき、新しいアイデアも生まれそう」。12月ごろまで各社の被験者が順次松江を訪れ、実験に協力する。

実験後、参加企業は福利厚生メニューとしてテレワークを取り入れるプログラムを開発したり、測定データを分析する技術を開発したりするなど事業化を検討。市は魅力的な職場環境をPRし、関係人口の創出やIT企業の誘致、観光振興などにつなげたい考えだ。

市の地域おこし協力隊として実験を企画した林郁枝さん(54)は「良い成果が出れば、人口減少や健康づくりなど同じ課題を抱える全国の地域にも役立てる。(大会期間中のテレワークを推奨している)東京五輪・パラリンピックを控え、企業も新たな働く場所を探しており、大きな可能性を秘めている」と語った。

早朝にヨガを楽しむIT企業社員ら(松江市提供)早朝にヨガを楽しむIT企業社員ら(松江市提供)

サテライトオフィスでテレワークをするIT企業社員ら=8月20日、松江市サテライトオフィスでテレワークをするIT企業社員ら=8月20日、松江市

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