迫る消費増税、日米交渉は大詰め=視界不良の経済政策-内閣改造

政治・外交

第4次安倍再改造内閣が11日、発足した。米中貿易摩擦の激化で世界経済の減速懸念が強まる中、消費税増税が10月1日に迫り、国内景気には腰折れの不安がくすぶる。日米貿易協定交渉は今月下旬の首脳会談での署名を目指して作業が大詰めを迎えており、改造内閣は経済政策運営でいきなり難しいかじ取りを迫られる。

「今後も下方リスクを常に抱えていると思わないといけない」。留任の麻生太郎財務相は11日、改造前の臨時閣議後の記者会見で米中貿易摩擦を念頭に、こう強調した。

国内経済は、米中摩擦を背景に輸出が低迷。消費税増税で個人消費も落ち込めば、景気は支え手を失う恐れがある。

景気悪化のリスクが顕在化した場合について、安倍晋三首相は11日夕の会見で「機動的かつ万全の政策対応を行うなど経済運営に万全を期していく」と、追加経済対策の可能性に重ねて言及。日銀も必要があれば「ちゅうちょなく追加緩和措置を講じる」(黒田東彦総裁)方針で、政府・日銀は一体で景気の腰折れを回避する構えだ。

政府は消費税増税と同時に、酒類を除く飲食料品の税率を8%に据え置く軽減税率を導入。中小店舗などで現金を使わずキャッシュレス決済をした際に最大5%のポイントを還元する制度も始める。いずれの制度も複雑で、消費者や販売現場の混乱、ポイント還元では不正アクセス問題も懸念されている。初入閣の菅原一秀経済産業相はポイント還元制度を円滑にスタートできるか手腕が問われる。

一方、日米貿易協定交渉では、今月下旬に両国首脳が会談し共同声明も出す見通し。政府は米国から日本車に対する追加関税の発動回避の確約を得て、声明に反映させたい考え。協定署名後に国会承認を目指す。交渉を主導する茂木敏充氏は、経済再生担当相から外相に移った後も協定の最終調整や国会対応を担う。

協定が発効すれば、米国産牛・豚肉の関税は環太平洋連携協定(TPP)水準まで削減される。価格競争力のある米産肉の流入が経営基盤の弱い国内畜産農家に与える影響は小さくない。チーズや小麦などでも一定の市場開放について協議されており、農家への支援策が求められそうだ。

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