着たい服、男女関係なく=女性向けメンズスーツ人気-イベントに予約殺到

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性別に関係なく好きな服を着たいというニーズに応えて、女性向けに販売されるメンズスーツが人気を集めている。メンズスーツを女性がオーダーできるイベントには予約が殺到。体のラインが強調されない服装を好む女性に加え、性的少数者(LGBT)からも反響が寄せられているという。専門家は「新たな需要に応える動きだ」と指摘している。

東京都内や神戸市、名古屋市などでメンズのオーダースーツ販売を展開するFABRIC TOKYO(東京都渋谷区)は8月下旬、女性限定の採寸イベントを開催した。予約開始直後から問い合わせが殺到し、約70人の枠はすぐに埋まったという。

同社の森本萌乃さん(29)は「メンズライクの服装が好きな女性からもたくさんの問い合わせがある。ここまでニーズがあったとは」と反響の大きさに驚く。

同社で結婚式用のスーツを購入した大阪市北区の乾寿々香さん(25)は、「結婚式で女性用のドレスを着ることが苦痛だった」と振り返り、「男でも女でもない、私に似合う服を作ることができ、存在を認めてもらったような気がした」と話した。

LGBTやフェミニズム関係の記事を配信する「パレット」の合田文編集長(27)は、同社の取り組みについて、「メンズの服が着たい女性たちが相談できる場所をつくった。これまで見過ごされてきた選択肢が提示された」と評価する。

「洋服の青山」を展開する紳士服最大手の青山商事の担当者によると、特に都市部の店舗で、メンズスーツを注文する女性が増えてきているという。同社はこうした女性への配慮から、接客時のマニュアル策定などを検討している。

お茶の水女子大の新実五穂准教授(服飾史)は「大きめのシャツを女性が着るなど、ジェンダーレスなファッションが一般に浸透してきている」と指摘。「女性向けメンズスーツは、新しい需要に応えた動きと言えるのでは」と話している。

女性限定の採寸イベントで、メンズスーツを注文する女性(右)=8月30日午後、東京都港区のFABRIC TOKYO表参道店女性限定の採寸イベントで、メンズスーツを注文する女性(右)=8月30日午後、東京都港区のFABRIC TOKYO表参道店

結婚式用のメンズスーツを購入した乾寿々香さん(乾さん提供)結婚式用のメンズスーツを購入した乾寿々香さん(乾さん提供)

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