実質値下げで消耗戦懸念=大手、ポイント還元に対抗-消費増税

経済・ビジネス

10月の消費税増税に合わせて実施されるキャッシュレス決済のポイント還元事業で、制度の対象外となっている大手小売りや外食が実質的な値下げに踏み切る動きが広がってきた。独自のポイント還元やセールなどが行われる見通しだが、業界からは「過度な価格競争で疲弊してしまう」(川野幸夫日本スーパーマーケット協会会長)と、消耗戦に陥りかねない事態を懸念する声が上がっている。

大手スーパーでは、西友が10月から12月末までの間、セゾンカードでの決済時に代金の3%を値引きする。西友は8月から600品目を値下げしたが「増税後にもう一段の対応が必要と判断した」(広報室)としている。イオンやセブン&アイ・ホールディングス傘下のイトーヨーカ堂は増税後の還元セールを検討。ディスカウントストア大手のドン・キホーテも「10月以降も価格にこだわった施策を実施する」(幹部)方針だ。

外食大手では、モスフードサービスが12月末まで、同社のプリペイドカードを使った場合に決済額の2%をポイントで還元。大戸屋ホールディングスは楽天と提携し、両社のポイントを同時に付与するキャンペーンを始める。

ポイント還元は、増税による景気落ち込みを防ぐと同時に、キャッシュレス決済を普及させる目的で、政府が2020年6月末まで9カ月間実施する。中小の飲食店や小売店でキャッシュレス決済を利用すると、支払額の最大5%がポイントとして還元される。このため大手スーパーや外食は競争上、実質的な値下げに踏み切らざるを得なくなっているのが実情だ。

日本スーパーマーケット協会の川野会長は「どの業界でもポイント合戦や安売り競争が起きている」と指摘。「最終的には中小商店が影響を受けるのではないか」と危惧している。

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