夢の「原子核時計」に一歩=誤差3000億年に1秒-岡山大など

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岡山大などの研究チームは、誤差が3000億年に1秒という超高精度「原子核時計」の実現に欠かせない、トリウム原子核の特殊な状態の生成に成功した。論文は24日までに、英科学誌ネイチャー電子版に掲載された。

現在、1秒の定義に使われているセシウムを用いた原子時計の誤差は、数千万年に1秒。桁違いの精度を持つ原子核時計は、精密な時刻測定のほか、宇宙の加速膨張の解明などにも役立つと期待されている。

原子核時計の実現には、原子核が外からエネルギーを吸収した「励起」と呼ばれる状態を制御する必要がある。トリウムの同位体トリウム229は、自然界の原子核の中で最も弱いエネルギーで励起させられるが、その状態(アイソマー状態)を実現するのは難しかった。

岡山大異分野基礎科学研究所の吉村浩司教授らは、大型放射光施設「スプリング8」(兵庫県佐用町)のX線を照射し、トリウム229原子核をアイソマー状態よりももう1段高いエネルギーで励起(第2励起状態)させた。その上で、X線のエネルギーを微調整し、第2励起状態の原子核のうち約6割をアイソマー状態にできた。

吉村教授は「原子核時計の実現に向け、大きな一歩を踏み出せた」と話している。

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