タトゥーで温泉に賛否=ラグビーW杯訪日客に「理解を」-大分・別府

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日本で初開催されているラグビーワールドカップ(W杯)では、約40万人の訪日観光客が見込まれる。タトゥー(入れ墨)が文化、風習、ファッションとして定着する国も多いが、日本では反社会的勢力と結び付けられてきた歴史があり、文化的な隔たりは大きい。「裸の付き合い」をする温泉地の反応は?

日本有数の温泉地・別府を抱える大分県では、2日のニュージーランド対カナダを皮切りに、W杯5試合の開催が予定されている。別府市内には400カ所近い温泉があるが、うち約300を占めるホテルや旅館など民間施設の多くは、家族風呂を除き「タトゥーで入浴はお断り」だ。

市旅館ホテル組合連合会の堀精治専務理事は「子どもに見せたくないという利用者の声がある。日本人客に嫌われたら困る」と理解を求める。3年前に大浴場でのタトゥーを禁止した同市鉄輪の日帰り温泉「鬼石の湯」の担当者は、「(外国人には)理解してもらえていると思う」と話す。

一方、残る約100カ所の市営温泉などはタトゥーでの入浴を認めている。市温泉課は「市民の生活衛生を保つ公衆浴場。断る法的根拠はない」と説明する。100年以上の歴史があるという市営温泉「竹瓦温泉」を訪れたポーランド人旅行者アンナ・ラビエガさん(30)は、「日本の温泉はタトゥー禁止なのに、ここは大丈夫なんて面白い」と話した。

全身に入れ墨がある日本人の会社員男性(68)は、別の市営温泉に入浴後、「W杯でたくさん外国人が来る。旅館やホテルは入浴を認めるべきだ」と訴えた。

同連合会はW杯に合わせた10月限定で、加盟ホテルなどにタトゥー解禁を要請することも検討したが、日本人利用客の強い反対で見送った。「タトゥーの人には市営温泉を案内する」との方針を維持し、2020年東京五輪などを見据え、今後も検討は続けるという。

大分県は3月、タトゥーでも入浴可能な温泉を紹介する英語サイトを開設。「日本は急速に広がる多様な文化を理解する必要がある。見守っていてください」とサイトで呼び掛けている。

タトゥーのある人の入浴を断る温泉施設の掲示=9月13日、大分県別府市鉄輪の温泉「鬼石の湯」タトゥーのある人の入浴を断る温泉施設の掲示=9月13日、大分県別府市鉄輪の温泉「鬼石の湯」

別府市内の観光地案内所で配布されているタトゥー入浴の可否を示したパンフレット別府市内の観光地案内所で配布されているタトゥー入浴の可否を示したパンフレット

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