1日限りの「青空レストラン」=風評払拭へ地元食材活用-福島

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畑の真ん中で、地元食材を使ったコース料理を振る舞う-。そんな1日限りの「青空レストラン」が福島県内の各地で開かれ、人気を集めている。東京電力福島第1原発事故による県産農産物への風評被害が残る中、「福島の食の魅力」を発信している。

青空レストランは、旅行会社「孫の手トラベル」(同県郡山市)が企画したツアー事業。「フードキャンプ」と題して、畑の中にテーブルを設置し、その畑で収穫した野菜や果物をふんだんに活用したコース料理を参加者に提供している。

同社の山口松之進社長(49)は「原発事故後、苦労する農家の姿を見てきた。食材や生産者を主役にした取り組みをしたかった」とツアーを始めたきっかけを語る。2015年から、毎回テーマ食材を設定し有名シェフが腕を振るってきた。今年はイチゴやキュウリ、豚、地ビールなどテーマを大幅に拡充し、計13回開く。山口社長は「青空の下で食事をし、福島の自然の豊かさや食の魅力を感じてほしい」と話す。

今月1日には、同県玉川村のサルナシ畑で開催。サルナシはキウイフルーツの原種で、村の特産品だ。市場に出回りにくいことから「幻のフルーツ」とも呼ばれる。郡山市のイタリアンシェフが畑の脇に駐車したキッチンカーで、サルナシのサラダやリゾット、サルナシソースのサーモンソテーなどを調理。心地よい風が吹き抜ける中、県内外から参加した25人が全5品のコース料理に舌鼓を打った。

東京都北区の矢島悠子さん(66)は、今年6回目の参加というリピーター。「畑の中で食事する機会はなかなかない。毎回テーマが違うから飽きない」と笑顔を見せる。郡山市の佐々木善寿さん(74)は「開放感と相まって、食事のおいしさが倍増する」と満足げな表情を浮かべた。

サルナシ畑で、サルナシを使ったコース料理を堪能する人たち=1日、福島県玉川村サルナシ畑で、サルナシを使ったコース料理を堪能する人たち=1日、福島県玉川村

サルナシ畑の脇に駐車するキッチンカー。村特産のサルナシを使ったコース料理が振る舞われた=1日、福島県玉川村サルナシ畑の脇に駐車するキッチンカー。村特産のサルナシを使ったコース料理が振る舞われた=1日、福島県玉川村

キッチンカーの横で料理の盛り付けをするシェフたち=1日、福島県玉川村キッチンカーの横で料理の盛り付けをするシェフたち=1日、福島県玉川村

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