「記録破りの雨」耐え切れず=河川堤防「局面変化」-山地で雨雲発達、温暖化も寄与

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異例の広域浸水被害をもたらした台風19号。「記録破り」の大雨に河川の堤防は耐え切れず、次々と決壊した。専門家は「氾濫や洪水はどこでも起きる」と警鐘を鳴らす。

国土交通省によると、長野市の千曲川の決壊箇所は以前から水位が高くなりやすい場所の一つ。川底を掘削して水位を下げる工事の予定もあったが、「整備をしても、決壊を招く規模の雨が降る可能性はあり、絶対大丈夫とは言えない」という。

埼玉県の都幾川や越辺川の決壊箇所は、いずれも本流と支流が合流する地点だった。ただ、茨城県の那珂川や久慈川の決壊箇所でそうした地形は確認されておらず、担当者は「原因究明は時間がかかる」と話した。

19号が関東を縦断し終えた13日未明までの48時間雨量は、河川が氾濫した各県で200~600ミリに上り、観測史上最多を更新する地点が続出した。

中央大の山田正教授(河川工学)は決壊の多発について「記録破りの大雨が最大の要因。堤防から水があふれて決壊した例が多いだろう」と推測し、地球温暖化で「局面が変わった」との見方を示した。

19号の特徴について、東京大大気海洋研究所元所長の新野宏名誉教授は「大型だったほか、スピードがこの時期としては遅かった」と指摘。「ほぼ東からの湿った風が関東甲信や東北の山地斜面に当たって上昇し、雨雲を発達させ続けた」と説明した。

気象庁によると、日本の南の海面水温が平年より1~2度高く、エネルギー源となる水蒸気量が多かったため、台風は12日夜の上陸直前まで非常に強い勢力を維持した。

新野名誉教授は「地球温暖化により、南の海で強い台風が増えるという研究結果が出ている。日本付近に来るかは中緯度の気圧配置によるが、勢力を弱めずにやって来る可能性が高まる」と話した。

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