京アニ放火、再建へのハードル高く=寄付30億円も課題山積-作品制作に影響

社会

36人が死亡した京都アニメーションの放火殺人事件は18日、発生から3カ月を迎えた。復活を願うファンの声は根強く、専用口座には30億円近くの寄付金が寄せられた。ただ、職場復帰できていない社員もおり、新作映画の公開は延期された。再建に向けた課題は多い。

京都府によると、日本赤十字社京都府支部などが開設した6口座には15日時点で3億2956万円の入金があった。京アニ側から府の口座に移管された分も合わせた寄付金総額29億1546万円は、遺族と被害者に今後分配される。

寄付は今月末まで受け付けるが、京アニの代理人弁護士は、労災補償などを除いても、死傷者らの被害規模は「少なくとも40億円。寄付金は相当不足している」と話す。

映画館「MOVIX京都」(京都市)が週替わりで同社の18作品を特集上映するなど支援の動きも広がるが、京アニは9月、2020年1月を予定していた映画「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の公開延期を発表。同作品の美術監督らを失ったことなどが背景にあるとみられ、今後の作品制作への影響も懸念される。

しかし、事件直前に完成した映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-」は、多くのファンの要望を受け、一部劇場で上映期間が延長された。11月にはファン向けの音楽イベントも開催する。同社は待ちわびるファンの声援に応えようと、復活に向け着実に歩みを進める。関係者によると、同社では新たな作品づくりも始まっているという。社員の1人は「ファンに報いたい」と話している。

映画館「MOVIX京都」前に飾られた京都アニメーション作品の特集上映を告知するポスター=16日、京都市中京区映画館「MOVIX京都」前に飾られた京都アニメーション作品の特集上映を告知するポスター=16日、京都市中京区

放火殺人事件発生から3カ月となった「京都アニメーション」第1スタジオ=18日午前、京都市伏見区放火殺人事件発生から3カ月となった「京都アニメーション」第1スタジオ=18日午前、京都市伏見区

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