電気系統が原因か=世界遺産に損傷少なく―首里城火災から1週間

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那覇市の首里城で正殿などが焼失する火災が発生して7日で1週間。市消防局は、電気系統設備の不具合が火災の原因との見方を強め、沖縄県警と合同で実況見分を進めている。被害状況は徐々に明らかになっており、世界遺産の正殿地下の損傷は小さかったことが判明。ただ、約73億円を掛け復元した計7棟や400点余の収蔵品が焼失しており、再建の見込みは立っていない。

火災は10月31日未明に発生。警報を受け現場に駆け付けた警備員は、正殿北側のシャッターを開け、階段を上がったところで煙が充満しているのを発見。応援を呼んで戻ると、分電盤があった正殿1階北東側の窓から煙が出て、消火できない状態になっていた。消防などは、正殿北側が火元との見方を強めている。

県警と消防は、正殿北側から分電盤とみられる電気設備を回収。11月5日からはショート痕など原因の特定につながるものがないか詳しく調べている。県などによると、過去に漏電などの異常はなかったという。

一方、首里城を管理する一般財団法人「沖縄美ら島財団」は、警備員が出火約1時間前に正殿内を巡回したとする当初の説明を訂正。当時は正殿向かいの奉神門から確認しただけで、正殿内の巡回は出火の約5時間前だったと明らかにした。財団などは、管理体制に不備がなかったかも検証する。

文化財被害は、世界遺産に登録された正殿地下の遺構が、見学者用にガラス張りにした部分からがれきが入り込み、一部損傷した可能性があることが判明。ただ、大部分は土で覆われ被害を免れたとみられている。

美ら島財団によると、収蔵品のうち県指定文化財の絵画など3点を含む約1100点は焼失を免れたが、琉球王朝時代の絵画「雪中花鳥図」など400点余は焼失した可能性が高い。

焼失した正殿は、事業着手から約8年かけて1992年に完成した。内閣府によると、正殿を支えていた約100本のヒノキは入手が難しく、専門の職人による繊細な細工も必要なことから、再建のスケジュールや事業費の見積もりは困難な状況だ。

首里城の火災について記者会見する「沖縄美ら島財団」の職員ら=6日午後、那覇市首里城の火災について記者会見する「沖縄美ら島財団」の職員ら=6日午後、那覇市

火災で焼失した可能性が高い雪中花鳥図(沖縄美ら島財団提供)火災で焼失した可能性が高い雪中花鳥図(沖縄美ら島財団提供)

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