ボランティア、自治体と連携=自衛隊、災害廃棄物撤去で―台風19号・長野市

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豪雨による甚大な被害をもたらした台風19号の上陸から12日で1カ月。各地で大量の災害廃棄物が発生し、陸上自衛隊は災害ごみや道路上の障害物の撤去のために、これまでに宮城、福島、長野、茨城などの各県被災地にトラックや重機の部隊を派遣した。長野市ではボランティアと市民、自治体、自衛隊が連携して撤去に取り組んでいる。大規模な自然災害が多発し、災害廃棄物の処理は全国的な課題になっている。

今回の台風被害で、自衛隊は自治体に派遣した連絡官などを通じて災害廃棄物やがれきなどの撤去作業を調整。陸自は計約8万6000トンを撤去した。

千曲川の堤防が決壊し、大きな被害が出た長野市では10月26日から、市とボランティア、自衛隊が連携して災害ごみを搬出。市や自衛隊によると、日中にボランティアと市民らが被災家屋などから災害ごみを仮置き場の赤沼公園(同市)に移動。自衛隊が夜間、重機やトラックを使って地区外に運搬している。

搬出の段取りなどについてボランティア、市民、自治体、環境省、自衛隊などが情報を共有し、役割分担する取り組みは「One Nagano(ワンナガノ)」と名付けられボランティアを募集。堤防が決壊した一帯は、道路が狭いため車両の対面通行も難しく、完全撤去の見通しは立っていない。

河野太郎防衛相は今月、長野市の被災地を視察した際、災害廃棄物の対応に関して「環境省、自衛隊、自治体が対応するところと、ボランティアの皆さんにお願いをする部分をマニュアル化していける段階になった」と述べ、迅速に対処できるよう、分担を明確にしておく重要性を強調した。

昨年7月の西日本豪雨でも、岡山、広島両県などで大量に発生。防衛省によると、陸自部隊のダンプカー延べ約1万3000台が出動し、撤去した。

環境省によると、南海トラフ巨大地震では、最大で災害廃棄物が約3億2000万トン(東日本大震災の約16倍)、首都直下地震では最大で災害廃棄物が約1億1000万トン(同約5倍)発生すると推計されている。

同省は全国の自治体に大規模災害に備え、災害廃棄物の仮置き場の選定や運用方針、周辺の地方公共団体との連携・協力体制などを定めた「災害廃棄物処理計画」を策定するよう求めている。しかし、策定した市区町村は3割にも満たない(2017年度末)。

台風19号の被災地で、災害廃棄物の撤去作業を支援する陸上自衛隊員=3日、長野市の赤沼公園(陸上自衛隊提供)台風19号の被災地で、災害廃棄物の撤去作業を支援する陸上自衛隊員=3日、長野市の赤沼公園(陸上自衛隊提供)

日中に被災者やボランティアらが仮置き場に運んだ災害廃棄物を、夜間に地区外に搬出する陸上自衛隊員=4日、長野市(陸上自衛隊提供)日中に被災者やボランティアらが仮置き場に運んだ災害廃棄物を、夜間に地区外に搬出する陸上自衛隊員=4日、長野市(陸上自衛隊提供)

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