盟主失脚、混乱の1年=新経営陣は多難な船出―日産

経済・ビジネス

日産自動車に長年君臨してきた前会長カルロス・ゴーン被告が東京地検特捜部に逮捕され、19日で1年。盟主が失脚した日産では経営の混乱が続き、これまでの拡大路線が裏目に出て深刻な業績不振に陥っている。フランス自動車大手ルノー、三菱自動車と組む3社連合の立て直しも急務で、12月に就任する新経営陣は多難な船出となる。

ゴーン被告を追放した西川広人前社長も不正報酬問題で9月に辞任。12月1日に内田誠専務執行役員が後任に就き、最高執行責任者(COO)となるアシュワニ・グプタ三菱自COO、副COOとなる日産の関潤専務執行役員の3頭体制に移行する。

喫緊の課題は業績のてこ入れだ。2020年3月期の連結純利益は、主戦場の米国で値引き販売に走ったことが響き、前期比66%減の1100億円に落ち込む見通し。リーマン・ショックの余波が残る10年3月期(423億円)以来の低水準となる。

日産の不振を反映し、筆頭株主のルノーが株式持ち分に応じて計上する利益は、19年7~9月期に2億3300万ユーロ(約280億円)と前年同期から4割減少。ルノーは日産に利益の約半分を依存しており、打撃は大きい。

自動車業界は、電動化などの技術革新で「100年に1度」の変革期を迎え、再編による規模拡大が進む。日産も単独での生き残りは難しい。

しかし、扇の要だったゴーン被告が去り、連合は主導権争いでぎくしゃくしている。グプタ氏は「厳しい状況は3社とも変わらない。もっと効率的に、もっと迅速にお互い(の力)を必要としている」と指摘。内田氏は「連合重視の姿勢が新トップ候補の中で最も強かった」(日産幹部)とされ、新経営陣は関係改善を急ぐとみられる。

10月末に日本で開いた3社の幹部会議では「連合をより強化していく」ことを確認。ルノーのジャンドミニク・スナール会長は会議後に更新したツイッターに「私たちは新しい時代の入り口にいる」と投稿、内田氏らとの連携に意欲を見せた。

ただ、日産関係者の間では、ルノーが経営効率化を旗印に統合を迫る事態への警戒感もくすぶっている。

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