軌道修正し反転攻勢へ=日産新体制、逆風下で船出―内田社長「ワンチーム」強調

経済・ビジネス

日産自動車の新体制が逆風下で船出した。「新生日産」は、前会長カルロス・ゴーン被告による経営体制と決別し、内田誠社長らによる集団指導体制に移行。規模拡大路線を修正し反転攻勢に打って出る構えだが、自動車業界をめぐる環境は激しく変化しており、再建を軌道に乗せられるかどうかは不透明だ。

「ワンチームを醸成し、社員にとって透明性の高い業務運営を行う」。内田氏は記者会見で、流行語大賞を獲得したラグビー日本代表のスローガンを引用。長らく続いた絶対的な権力者による企業風土の改革に意欲を見せ、「日産の強みを世に出したい」と語った。

しかし、日産の立ち位置は厳しい。ゴーン被告が推進した販売台数拡大という路線は、新車開発の出遅れを招いた。11月に発表された2019年9月中間連結決算は、収益力を示す売上高営業利益率が0.6%に低下。ライバルのトヨタ自動車は9.2%だった。さらにトヨタは、この1年でスズキとの資本提携やSUBARU(スバル)への出資比率引き上げも決め、成長への布石を打ち続けた。トヨタに限らず、海外メーカーも提携の動きを加速させている。

日産はまず効率化に向け、今年度末までに世界で6400人超を削減し、工場の稼働率を昨年度の69%から22年度に86%へ引き上げる方針だ。これと並行し「新商品や新技術を軸にした着実な成長」(内田氏)を目指し、20年度には新型車5車種程度を国内で投入する計画。連合を組む三菱自動車、仏自動車大手ルノーと次世代車開発のための新会社設立も検討している。

内部改革、本業立て直し、3社連合のかじ取り。内田氏ら新経営陣はこれらに同時に取り組み、結果を出す必要がある。「日産の飛躍の可能性に魅了された」と入社当時を振り返った内田氏だが、どこまでワンチームを実現し、飛躍に踏み出せるのか。与えられた時間は少ない。

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