二審も元漁船員ら敗訴=ビキニ被ばく記録訴訟―高松高裁

社会

1954年に米国が太平洋ビキニ環礁で行った水爆実験をめぐり、周辺海域で操業していた高知県の元マグロ漁船員や遺族ら29人が、被ばくに関する記録を国が隠蔽(いんぺい)したなどとして計約4200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が12日、高松高裁であった。増田隆久裁判長は訴えを退けた一審判決を支持し、原告側控訴を棄却した。

原告側は、2014年に開示されるまで国が故意に記録を隠し続けたと主張したが、増田裁判長は「隠匿方針が決定され、その意思が貫徹されてきたとは認め難い」と退けた。

一審高知地裁は、賠償請求権が20年で消滅する民法の「除斥期間」などを理由に請求を棄却したが、二審は除斥期間について判断を示さなかった。増田裁判長は「賠償請求では司法的救済を図ることは困難で、立法府、行政府の検討に期待する他ない」と言及した。

判決後に記者会見した遺族の増本美保さん(78)は「どこを見て判決を言い渡したのか。本当に悔しい思いだ」と話した。原告団は、原告らが高齢であることを踏まえ、上告については慎重に判断するという。

ビキニ水爆実験の被ばく記録開示をめぐる控訴審判決で敗訴した原告ら=12日午後、高松高裁前ビキニ水爆実験の被ばく記録開示をめぐる控訴審判決で敗訴した原告ら=12日午後、高松高裁前

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