元農水次官に懲役8年求刑=長男殺害「強い殺意」―東京地裁

社会

東京都練馬区の自宅で長男=当時(44)=を殺害したとして、殺人罪に問われた元農林水産事務次官の熊沢英昭被告(76)の裁判員裁判の論告求刑公判が13日、東京地裁(中山大行裁判長)であった。検察側は「強い殺意で一方的に攻撃した」として懲役8年を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、結審した。判決は16日。

検察側は論告で、長男英一郎さんは5月25日から被告と同居し、翌26日には被告に暴力を振るったとした。被告は妻宛てに「他に方法がないと思っている。どこかで死に場所を探します。英一郎も散骨してください」などと無理心中をほのめかす手紙を書き、「発達障害だった長男に親身に対応してきたのに失望感を持ち、殺害を考え始めた」と述べた。

その上で、英一郎さんの傷は36カ所を超える一方、被告はほぼ無傷だったと指摘。「強い殺意で、隙を狙い一方的に攻撃した。長男は被告を尊敬していたのに、突如命を奪われた」と非難した。

弁護側は、英一郎さんが「殺すぞ」と口にしたことから「5月26日の暴行を思い出し、自らの命を守るためとっさに事件に及んだ」と反論。「献身的にサポートしており、直前まで殺害は考えていなかった」と訴えた。

熊沢被告は最終意見陳述で、「反省と悔悟で過ごしている。息子があの世で穏やかに過ごせるよう、罪を償い、祈りをささげていく」と述べた。

起訴状によると、熊沢被告は6月1日午後、練馬区の自宅で、英一郎さんの首などを多数回包丁で刺して殺害したとされる。

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