辺野古移設、続く攻防=土砂投入1年、軟弱地盤が焦点―政府・沖縄

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米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設をめぐり、政府が名護市辺野古沿岸部への土砂投入を始めてから、14日で1年を迎えた。この間、県は繰り返し中止を訴えたが、政府は工事を続行。今後、軟弱地盤に伴う設計変更について、政府と県の攻防が一段と激しくなりそうだ。

「民意を無視し、違法な土砂投入を強行していることは、民主主義を踏みにじる行為だ」。玉城デニー知事は13日の記者会見で、政府の姿勢を厳しく批判した。

辺野古移設の是非を問う2月の県民投票では、投票総数の7割が反対した。圧倒的民意を背景に、玉城氏は移設阻止を迫ったが、政府は事実上黙殺。工事を止められない状況が続く。

辺野古では現在、昨年着手した区画の約7割、3月に着手した区画の約1割が埋め立てられた。知事を支える県議の一人は「工事を止める決め手がない」とため息をつく。

県側は、埋め立て承認の撤回を取り消した国土交通相の裁決は違法だとして、2件の訴訟を提起した。しかし、1件は既に福岡高裁那覇支部で却下されるなど、法廷闘争が工事阻止につながるかは不透明だ。

これに対し、政府側は埋め立ての「既成事実化」を図る。菅義偉官房長官は13日の記者会見で、「関係法令に基づき(工事を)進めたい」と強調。防衛省沖縄防衛局は近く、大型の土砂運搬船を導入するなど、作業を加速させる。

ただ、埋め立て区域の東側で軟弱地盤が見つかったことは、政府にとって誤算だ。防衛省は約7万7000本のくいを打ち込む地盤改良を検討するが、県に設計変更を申請し、許可を得なければならない。

政府は年明けにも県に設計変更を申請する見通しだが、玉城氏は工事阻止の「最後の手段」と位置付け、認めない方針。これに政府も、違法確認訴訟などで対抗するとみられる。

政府と県の攻防が続く中、来年6月に想定される沖縄県議選は、辺野古移設の行方に大きな影響を与えそうだ。政府関係者は「自民党などで過半数を取らないといけない」と強調。菅氏が来週、沖縄県を訪問するなど、早くもてこ入れを図る。

一方の玉城氏も、自身を支える社民、共産両党など県政与党の過半数維持が至上命令。逆転を許せば、県政運営に大きな打撃となるだけに、全力で支援する考えだ。

米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事で、土砂の投入から1年を迎える名護市辺野古沿岸部=12日(写真上)と土砂の投入が始まる前=2018年10月2日(同下)(小型無人機で撮影)米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事で、土砂の投入から1年を迎える名護市辺野古沿岸部=12日(写真上)と土砂の投入が始まる前=2018年10月2日(同下)(小型無人機で撮影)

米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事で、土砂の投入から1年を迎える名護市辺野古沿岸部。奥は大浦湾=12日、沖縄県名護市(小型無人機で撮影)米軍普天間飛行場の移設に向けた埋め立て工事で、土砂の投入から1年を迎える名護市辺野古沿岸部。奥は大浦湾=12日、沖縄県名護市(小型無人機で撮影)

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