「埋蔵金」で財源捻出=消費増税でも財政に不安―20年度予算案

政治・外交

政府は20日閣議決定した2020年度一般会計予算案で、経済再生と財政健全化の両立をアピールした。だが、100兆円を超える歳出を賄うため「埋蔵金」と呼ばれる特別会計の剰余金繰り入れや借金返済の先送りなど異例のやり繰りを総動員し、財源を捻出したのが実態だ。10月に消費税を増税したにもかかわらず、財政再建への道筋は見えてこない。

安倍晋三首相は19日の政府と与党の懇談会で「公債発行額を安倍内閣発足以来8年連続で縮減した」と語り、財政再建が進展したと主張した。実際、歳入に占める借金の割合(国債依存度)は20年度予算案で31.7%と、19年度当初比0.5ポイント低下した。

ただ、国債発行を抑制できたのは、税外収入をフル活用したためだ。外国為替資金特別会計の剰余金から2兆5908億円、18年度一般会計の剰余金から5268億円を繰り入れた。この結果、税外収入は6兆5888億円と、過去最大に達した防衛費(5兆3133億円)を1兆円以上も上回る規模に達した。

特に一般会計の剰余金に関しては、財政法の規定により国債の償還に充てるべき分も特例的につぎ込んだ。国の借金返済が遅れることになり、財務省幹部は「いくら国債発行額を減らしても、財政健全化は進まない」と漏らす。

政策経費を税収でどれだけ賄えるかを示す国の基礎的財政収支(PB)の赤字額は、20年度に9兆2000億円と3年ぶりに悪化する。25年度の国と地方のPB黒字化目標の達成は「一段と厳しくなった」(財務省主計局幹部)のは間違いない。

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