関西鉄道各社、新規事業に活路=「陸上」養殖、化粧品開発も―沿線人口減見据え

経済・ビジネス

関西の鉄道各社が、既存事業の枠を超えた新規ビジネスに活路を見いだそうとしている。JR西日本は陸上の養殖施設で育てたサバなどの本格販売に着手。京阪ホールディングス(HD)は化粧品の新ブランドを立ち上げた。沿線人口の減少を見据え、従来の鉄道やホテル、小売り事業とは異なる発想で収益源を模索している。

JR西は2017年、日本海沿岸の鳥取県岩美町でサバの養殖を始め、地下から海水をくみ上げる施設で「お嬢サバ」を育てている。富山県射水市ではサクラマス「べっ嬪(ぴん)さくらます うらら」を、瀬戸内海の沿岸では車エビ「とれ海老やん」を養殖するなど、4県で計6種の魚介類のブランド化に取り組む。今年10月にはインターネット販売を始めた。

JR西創造本部の石川裕章課長は「沿線地域での新たなビジネスは、長い目で定住促進につながる」と話す。産地への日帰りツアーや傘下ホテルのイベントでこれらの魚介類を提供することなども企画し、グループの売り上げ拡大を狙う。

京阪HDは契約先の農園で育ったツバキやユズなどを原料とする化粧品やシャンプーを開発し、子会社「ビオスタイル」を通じ、売り出した。京阪HDの加藤好文会長は「安心安全、地球に優しいという観点で(鉄道事業から)遠いようで近かった」と新事業の拡大に意欲を示す。

さらに、南海電気鉄道はグループで葬儀会館の運営を、阪神電気鉄道は高架下のスペースを生かした野菜栽培を手掛ける。鉄道事業に詳しい大阪商業大学の谷内正往准教授は「宅地開発といった高度成長期のビジネスモデルが曲がり角を迎え、体験に軸足を置いた消費傾向『コト消費』に沿ったソフト事業が各社の課題だ」と話している。

JR西日本が売り出した陸上養殖のサバ「お嬢サバ」(同社提供)JR西日本が売り出した陸上養殖のサバ「お嬢サバ」(同社提供)

京阪ホールディングスの化粧品(同社提供)京阪ホールディングスの化粧品(同社提供)

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