「専門家の見解軽視」=厚労省対応を批判―遺骨取り違えで検証報告

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厚生労働省が海外から持ち帰った遺骨を外国人のものと取り違えていた問題で、有識者チームは23日、同省の対応を検証した報告書を公表した。日本人ではない可能性を指摘されながら、同省が長年にわたり事実上放置していたことについて、有識者チームは「専門家の見解を軽視した」と批判した。

報告書を受け、加藤勝信厚労相は同日の閣議後会見で、「しっかりと調査し、必要があれば(職員の)処分を行いたい」と述べた。

有識者チームは弁護士や大学教授らで構成され、同省職員らへのヒアリングや専門家会議の議事録の調査などを行った。

報告書によると、DNA型鑑定の専門家が2005年以降、ロシアの9カ所やフィリピンで収集された遺骨について、「日本人ではないのでは」などと繰り返し指摘。遺骨の返還や事実の公表を求める声も上がった。

しかし、歴代の同省の担当者らは指摘を問題視せず、ほとんどのケースで具体的な対応を取らなかった。18年になって担当部署間で遺骨返還に向けた検討を始めたが、今年7月に問題が表面化するまで進展はなかったという。

報告書は、専門家の指摘に同省職員が適切に対応できなかった点や、後任職員に引き継ぎがなされなかった点を問題視。「行政の国民に対する説明責任という観点から問題があった」と批判し、再発防止に向けたチェック体制の構築などを同省に求めた。

遺骨収集をめぐっては、7月にシベリア抑留者として持ち帰った16人分の遺骨を専門家がDNA型鑑定したところ、「日本人ではない」との結果が出ていたことが判明。同省は9月、これ以外の581人分の遺骨について、日本人の遺骨ではない可能性があると発表した。同様の事例はその後、フィリピンやミャンマーの遺骨でも発覚している。

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