ゴルバチョフ氏、領土解決を模索=88年時点、中曽根氏との会談で―外交文書公開

政治・外交

外務省は25日、1980年代後半までの外交文書ファイル15冊を公開した。それによると、冷戦時代の88年7月に前首相だった中曽根康弘氏がソ連との関係融和を図ろうとモスクワを訪問した際、会談したゴルバチョフ共産党書記長が北方領土問題に関し「何とか何かを考え出さねばならない」と、問題解決を模索する考えを示していたことが分かった。(国名、肩書は当時)

中曽根氏は会談で領土問題について「直ちに返ってくるとは思っていないが、国際的な条約合意文書により関係を回復した以上、このことを基礎にすべきだ」と提起。平和条約締結後の歯舞群島と色丹島の日本への引き渡しを明記した56年の「日ソ共同宣言」を原点に協議すべきだと主張した。

これに対し、ゴルバチョフ氏は「(ソ連は共同宣言で)日本との関係正常化のために歩み寄り、二つの島を返そうという立場を取った。これは一つのチャンスだった。善意を示したが日本は受け入れなかった。日本は四つの島を返せと言っている」と反論した。

ただ、この発言に続けて「何とか何かを考え出さねばならない。お互いにどうすればよいのか、もう一度考えてみなければいけない」とも指摘。当時のソ連は領土問題について「存在しない」との立場を堅持していたが、ゴルバチョフ氏は日ソ間で問題解決の方策を再考する必要性を示した。

クレムリンでの会談に臨む中曽根康弘前首相(左)とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長=1988年7月、ソ連・モスクワ(AFP時事)クレムリンでの会談に臨む中曽根康弘前首相(左)とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長=1988年7月、ソ連・モスクワ(AFP時事)

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