「集団的自衛権」に言及=重光外相、ダレス米長官に―外交文書

政治・外交

重光葵外相が1955年8月のダレス米国務長官との会談で、自衛目的なら米領グアム防衛のために自衛隊を海外派兵することは憲法上許容されるとの見解を伝えていたことが、25日公開の外交文書で明らかになった。2015年成立の安全保障関連法の柱である集団的自衛権の一部行使容認を先取った主張と言えそうだ。(肩書は当時)

会談で重光氏は、52年4月に発効した旧日米安全保障条約を「不完全な条約」と指摘。西太平洋地域に限り、日米両国が相互防衛可能な新たな安保条約の締結交渉に入るよう求めた。

旧安保条約には米国の日本防衛義務が明記されておらず、条約上は日米が対等な関係でなかったことが背景にあった。

重光氏は新条約について、各締結国が西太平洋の他の締結国とその行政管轄下にある地域への武力攻撃を「自国の平和と安全にとって危険なもの」と認定すると説明。「憲法上の手続きに従い、共通の危険に対応する行動を取ることを宣言する」との内容だとした。

ダレス氏は「現憲法下で相互防衛条約が可能か」と問い掛け、具体的に「日本は米国を守ることができるか。グアムが攻撃された場合はどうか」とただした。

重光氏は「そのような場合は協議すればよい」と返答。ダレス氏が「自分は日本の憲法は日本自体を守るためにのみ防衛力を保持できるというのが最も広い解釈だと考えていた」と指摘すると、重光氏は「自衛が目的でなければならないが、兵力の使用については協議できる」と主張した。

重光氏は「自衛である限り(米と)協議できるとのわれわれの解釈だ」と強調。ダレス氏は「それは全く新しい話だ。日本が協議によって海外出兵できるということは知らなかった」と述べた。

ダレス氏は新条約について「考慮する時期は尚早ではないか」「真面目に交渉する時期ではない」と語った。

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