聖職者の性虐待、被害深刻=国内調査、実効性に疑問も―解明進まず・カトリック教会

社会

世界各地のカトリック教会で深刻化する神父による児童性虐待が、国内にも飛び火している。被害者が実名で名乗り出る中、日本カトリック司教協議会は6月、全国調査を開始。ただ、第三者を入れない閉鎖的な調べ方に批判も多く、実態解明につながるかは不透明だ。

「協議会は性虐待問題に消極的だ」といらだちを強めるのは、国内で唯一、実名で被害を訴える竹中勝美さん(63)。東京都内の児童養護施設で暮らしていた10代の初め、ドイツ人神父(故人)から日常的に呼び出され、下半身を触らせられるなどしたという。

当時は性虐待との認識がなく、「親の愛情を知らずに育った私にとって、ぬくもりすら感じた」と話す。忌まわしい記憶は脳裏に封印されたが、34歳だった1991年、1歳の子どもを風呂に入れている時、被害状況が鮮明によみがえるフラッシュバックに見舞われた。以来、突然大声が出たり、死ぬことを考えたりするなどの後遺症に苦しみ続けた。

「沈黙は許されない。加害者を守ることにつながるから」。2018年、定年退職などをきっかけに実名で被害を告白した。「神の道を説く聖職者が子どもを地獄に落とした」と訴え、同協議会などに児童性虐待の実態調査を働き掛けてきた。

同協議会は02年と12年に聖職者の性虐待を調査したが、再発防止に向け加害神父の情報を教会幹部間で引き継ぐなどの対応は取られなかったという。

聖職者による児童性虐待の被害を訴える竹中勝美さん=6日、東京都内聖職者による児童性虐待の被害を訴える竹中勝美さん=6日、東京都内

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