「五輪の崖」警戒=うたげ後の景気注視―エコノミストら

経済・ビジネス

間もなく幕開けする2020年五輪イヤー。半世紀ぶりに東京で開かれる平和の祭典への期待が高まる一方、うたげの後への警戒感は根強い。大会後に開催国が景気悪化に見舞われる「五輪の崖」は回避できるのか。エコノミストからは、景気対策への期待や消費の落ち込みを懸念する声が上がっている。

五輪の崖とは、大会を境に競技施設やインフラの建設需要が一巡し、投資が縮小し不況に転じること。前回1964年の東京五輪後は経済成長が鈍化し、日本経済は「昭和40年不況」「証券不況」などと呼ばれる不景気に陥った。最近では2000年のシドニー、04年のアテネ大会後に開催国の景気が低迷したことが知られている。

政府は今月、26兆円規模の経済対策をまとめ、五輪後の景気下支えを柱の一つに据えた。バンク・オブ・アメリカのデバリエいづみ主席エコノミストは、大規模建設プロジェクトや公共投資が控えていることを指摘。「建設投資の急速な落ち込みは避けられる。懸念は杞憂(きゆう)だ」と話した。野村証券の池田雄之輔チーフ・エクイティ・ストラテジストも「経済規模が小さい国なら減速はあり得るが、日本での影響は限定的だ」との見方を示す。

個人消費については不安が多い。東京都は17年春、五輪関連の消費押し上げ効果を5000億円程度と試算したが、大会後の反動減は必至。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘チーフ投資ストラテジストは、消費税増税に伴うポイント還元制度が大会直前の来年6月に終了する影響も想定し、消費が長期にわたり冷え込む恐れがあると語った。

第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、消費落ち込みに加え、消費税増税の後遺症や世界経済の鈍化を予想。景気の後押しに向け、企業活動を活性化させる規制緩和や、賃上げによる消費支援の必要性を強調している。

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